日本二千六百年史[増補版]

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日本二千六百年史[増補版]

  • 著者名:大川周明
  • 価格 ¥1,320(本体¥1,200)
  • 毎日ワンズ(2022/07発売)
  • ポイント 12pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784909447142

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内容説明

大川周明は戦後、民間人で唯一のA級戦犯に指定され、東京裁判に臨んでいる。これだけでも、彼が戦前の日本においてどれほどの影響力をもった思想家だったか、推察できるだろう。日本改造主義の実践にも深く関わり、五・一五事件では禁錮5年の判決を受けて服役。出所してからは日本精神の復興やアジア主義を核とする言論活動を展開し、昭和14年にそれらの集大成として『日本二千六百年史』を上梓すると、官憲の弾圧によって改訂を余儀なくされるも、大ベストセラーとなった。この本が今、よく売れている。内容はタイトルどおり、皇紀二千六百年の日本通史を全30章で記し、そこに通底する日本人の美質を讃え、最終章では〈世界維新〉につながる〈全アジア復興〉を主張する。その博覧強記に呆れつつ通読すると、大川が大東亜戦争の理論的指導者と目された理由がよくわかる。国体明徴運動やアジア侵略を推進する者たちにすれば、まさに大義名分の書となったに違いない。だからこそ戦後、米国は本書を発禁にしたのだろう。そして、本書がさらに興味深いのは、発刊時に「不敬罪違反」として削除された部分が掲載されている点だ。史実に基づく記述であっても、たとえば室町時代末期の天皇が〈恐れ多くも宸筆を売って用度を補い給うに至った〉と書くことは許されなかった。当時の政府が何を恐れていたのか、削除箇所を読むだけでも自ずと見えてくる。ところで、東京裁判に出た大川は前席の東条英機の頭を何度も叩き、精神疾患を理由に免訴されている。その後はコーラン全文の翻訳を果たし、昭和32年まで生きた。
評者:長薗安浩氏(週刊朝日 掲載)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

犬養三千代

8
随分前に書かれた本。 漢字の多いのには驚く。 「誇りを持って生きよ」ということかな。 平成、令和の世の中を見たら大川周明は溜息か?便利になったのはいいが、芯の無い日本人と思うかなぁ?2022/01/18

袖崎いたる

2
大川さんの戦後の活動を思うにつけ、日本人であることの誇りを授けんとする書物、と受けとれるのかなと。日本史のアウトサイダーを掬いあげる仕事でもあったというが、概して現代手に入りやすき日本史の数々と比べてみるに、だいぶ印象が異なるものよ。皇紀というのがそもそもそういう類いの質を持っているよな。徳川時代への配視が多いのも驚く。水戸光圀グループが『大日本史』を編纂してたというのは天下周知のことと書かれていたものの、知りませんでした。光圀公の働きエグいよの。2025/05/20

kentake

2
戦前の国家主義者大川周明が昭和14年に著しベストセラーとなった著作の復刻版。古代から中国や朝鮮の文化を学び発展してきた日本ではあるが、その後の武家社会や明治維新等の歴史を経て天皇を中心とする独自の日本精神を醸成してきたという点が、著者の歴史観をもとに解説されている。漢文調の表現が多く読みづらい点もあるが、日本史を①建国から大化改新、②大化改新から鎌倉幕府創立、③鎌倉幕府創立から徳川幕府の大政奉還、④明治維新以降という四期に区分するという考え方は、戦前の日本史の捉え方がわかり面白い。2024/03/08

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