内容説明
田舎男爵令嬢テサシアは、十分すぎるほど身の丈を意識し、有力貴族の集うカウフォード学園でモブに徹していた。
目立たず、騒がず、二大勢力に近づかず──
そんな彼女の癒しは、「推し」ルートヴィッヒ様のお姿を遠くから拝むことのはずが、王太子の婚約破棄がルートヴィッヒまで連鎖し、ひょんなことから「推し」の婚約者候補に！
風が吹けばテサシアが見初められる的流れに、戸惑いを隠せない彼女だったが──
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
すがはら
26
意外性があって当たりでした。モブだの推しだのと言うくせに、ヒロインのテサシアが転生者の設定ではないことに初めは戸惑いますが、推しを褒め称える勢いにのまれて気にならなくなりました。それでテサシアの思考が現代的な感覚に近いものだと思いこんでいると、貴族的な高潔さや矜持をさらりと示されて不意打ちに惚れてしまいます。ヒーローの元婚約者のこともきちんと評価して婚約解消を惜しむ心情が描かれるとか、なかなか珍しくて好感を持ちました。ヒーローがテサシアに目を付けた場面が本編中に挿入されていたらもっと良かったかなと。2022/08/10
そら
17
読み放題。硬質美麗な眼鏡ヒーローがとにかくツボだった。モブだけどしっかり者でさらっとした性格のヒロインも良かった。お話は悪役令嬢が断罪されるシーンから始まり、それにまつわる色々で話が進むけど、よくあるその当事者ではないので切り口がちょっと新鮮だった。さらさらっと読めて面白い。せめてふたりが婚約したところまで読みたかったけど、続刊はないようで残念。2023/06/04
彩灯尋
12
顔が綺麗すぎるヒーローのいる世界観でのヒロインのオタクっぽいテンションの高さに心がざわざわしてしまった。婚約破棄を眺めているモブから始まり、モブからヒロインに駆け上がっていく様子が見れるのは面白い作りだったと思う。あとがきのテンションの高さは特に気にならずむしろ大好きだったし、しっかり売りつけようとしている作品が書籍化してたのには笑っちゃった。作者さんは好きだったので他のも読んでみようかな。2023/07/24
てみさま
7
テサシアの話し言葉で話が進むので、テサシア目線で楽しく読めた。ルートヴィッヒが美しくて良き。2023/12/18
ちゃか
5
主人公のテサシア・ノーザランは、北方の辺境に位置する田舎男爵領の娘。 王都にある学園に通っていた彼女は、とある夜会で起きた婚約破棄騒動を目撃することになります。 それが王太子シャーロウが、ナゲイトア大公家の令嬢クレイ―ザに対して行ったものだったわけですが。婚約破棄モノで多いのは無能な王子の暴走劇なんですけど、本作においてはわりと順当なんですよねぇ。2023/09/26
