内容説明
「障害」や「障害者」ってそもそも何だろう? 知っているようだけどよくわからない、素朴な疑問を根っこからやわらかく考えます。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しいたけ
77
障害者福祉について考える当事者ではない健常者側の、立ち位置や身勝手な善意について深く考えさせられた。重度の脳性麻痺の2歳の娘を殺した母親に、地域で減刑運動が起きたことに怒ったという神奈川脳性麻痺者の会の横田弘。彼の書いた詩『祭壇』に震え、手帳やノート彼方此方に書き写しまくった。視力が悪ければ眼鏡やコンタクトを買うのが当たり前の世の中で、障害のある足で健常者に近い歩みを獲得するべくトレーニングをさせられる。厳刑の署名をした近隣住民は、殺害された娘が生きていたとき、母親に温かい眼差しと手を差し出していたのか。2023/04/05
Aya Murakami
69
図書館本。 私も障碍者手帳を持っています。仕事をするために作りました。それにしてもそれが戦争に結びついていたとは初耳。 リハビリがつらいというのはよくわかります。ウチの職場(リハビリ病棟)でも「リハビリ行きたくない」という患者さんは多いので。リハビリだろうがスポーツであろうが部活であろうが無理は禁物だと改めて思いました。 「障碍者は働くな」の主張は衝撃的でした。なるほど仕事のできるできないで差別が生まれるからね…。目からうろこ。2024/07/23
ネギっ子gen
68
「マイノリティの自己表現」を専門とする文学研究者が、中学生層を対象に「障害」についての書いた本。ですが、<読み終わった後「障害とはなにか」や「障害者とはだれのことか」が、読む前よりもわからなくなっている本を目指しました。なんとも不親切で意地悪な本かもしれません。なぜなら、本というのはふつう「なにかをわかるため」に読むものですから。でも、私が心から望んでいるのは、「障害とはなにか」や「障害者とはだれのことか」 について、私と一緒に悩み、モヤモヤと考え続けてくれる人が少しでも増えてくれることなんです>と。⇒ 2022/09/23
ちゅんさん
32
著者も障害者・障害について“よくわかっていません”、と言ってて非常に好感が持てる。だから一緒に悩み考えようと。おそらく中高生に向けた本だが一人でも多くの子がそうしてくれたらいいなと思う。丁寧に真摯に問題に取り組む人は安易に答えを出さないし断定しない。中高生がこういう本を読むことでそういったことを学べるところも本書のいいところだと思う。2025/08/17
ネオ
17
障がい者とはだれのことか、わからなかった私はこの本を読んでもだれのことかわかってはいない。 障がい者を差別する人が、障がい者なのでは。 青い芝の会の事が書かれてあり、もう少し詳しく知りたいと思いました。 いろんな人に読んでほしい本。2023/04/13
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