日本経済新聞出版<br> なぜ貧しい国はなくならないのか(第2版) 正しい開発戦略を考える

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日本経済新聞出版
なぜ貧しい国はなくならないのか(第2版) 正しい開発戦略を考える

  • 著者名:大塚啓二郎【著】
  • 価格 ¥3,300(本体¥3,000)
  • 日経BP(2022/07発売)
  • ポイント 30pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784532358488

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内容説明

●SDGs時代の経済学の必読書
 残された国々の浮上はなぜ困難なのか。それは誤った戦略がとられているからです。適切な政策さえとれば、貧困国も浮上可能なのです。貧しい国から貧困をなくしていく戦略的学問、それが本来の開発経済学の目的。本書は、経済学は知らないけれども貧しい国を浮上させる術について知りたい人びとのための書です。
 筆者は農業と製造業の双方について、アジアとアフリカで現地調査型の研究を重ねてきました。また、世界銀行に出向した時期は、開発戦略という視点から各国への資金援助を詳細に分析しました。筆者が研究対象としたのは、中国、台湾、ベトナム、フィリピン、タイ、インドネシア、インド、ネパール、スリランカ、ガーナ、エチオピア、ケニア、ウガンダ、マラウィ。また、農業や産業の発展ばかりでなく、環境問題、国家の役割、ジェンダーについても関心を払ってきました。カバーする地域も分野も内外の研究者でこのレベルに達している開発経済学者はほとんどいません。
 本書は、2014年に刊行された『なぜ貧しい国はなくならないのか』を最新のデータに基づいて全面改訂し、教科書需要に応えるもの。教科書で記述されている理論を自ら検証した上での入門書であり、その説得力は非常に強く、その点も高く評価されて増刷しています。その意味で、本書は定説をまんべんなく解説した通常の教科書や入門書とは異なります。
 筆者は、日経・経済図書文化賞を2度受賞し、シカゴ大学でシュルツ(唯一のノーベル経済学賞受賞農業経済学者)、フリードマンから直接教えを受けた世界的な開発経済学者。2018年には学士院会員となり内外から高く評価されています。

目次

第I部 何が問題なのか?
第1章 開発経済学とは何か?
第2章 貧困は減っているか?
第3章 なぜ貧困を撲滅できないのか?

 第II部 何が起こっているのか?
第4章 飢餓は是が非でも避けたい
第5章 東アジアから何を学ぶか?

 第III部 してはいけないこと、しなくてはいけないこと
第6章 途上国がしてはいけないこと
第7章 途上国が「豊か」になるためにすべきこと
第8章 世界がもっと真剣に取り組むべきこと

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

紗華

3
開発経済学でもKarlan&Appel(2013)とはアプローチが異なり、所得や産業のようなマクロの視点から、国が貧困から抜け出す過程を読み解く。特に農業に関して多く紙幅が割かれる。他方、日本は"ODAに無関心なODA小国"であり、FDIを巻き込んだ将来的な発展を望むならば援助を再考すべきという日本人学者ならではの指摘は興味深かった。RCTを用いた研究の流行に対して、貧困削減に役立っているのかと疑問を呈するように、学問的な追及に留まらず、本来の目的である貧困削減を達成するために多くの示唆を与えてくれる。2024/08/26

都人

3
国民が貧困な国の指導者がしてはならな事は解ったが、国が貧困から抜け出すためには何が「特効薬」かは、解らなかった。「離陸」するには「滑走路」をひたすら走り続けるという努力が出来る国、国民が不可欠だ。2020/06/17

やす

2
大学の教科書に使えると前書きに書かれており、開発経済学の入門に最適。文章と表やグラフとのバランスがよくてとても読みやすかった。 SDGs全盛の現在、読んでおいて損はない一冊だと思った。2021/09/30

nosuke

2
新興国を含む、開発途上国全般の発展戦略と貧困削減戦略を研究する学問である開発経済学が分かりやすく書かれている。緑の革命に成功したアジアと同じ熱帯であるアフリカでなぜ緑の革命が起こらないのか?人的資本、物的資本、インフラ、社会資本、知的資本で経済にとって最も大事なものが人的資本である理由は何か?労働集約的な産業発展を飛ばして、資本労働集約的な産業を発展させることの問題点は何かに関して取り上げられている。発展途上国の生活水準の向上に貢献したいという思いを持つ私にとって、土台となる知識を固められたように感じる。2020/12/15

都人

2
結局、国が発展という所へ「離陸」するには、ひたすら「滑走路」を走り続ける努力が必要なのだ。2020/06/17

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