内容説明
身が砕けそうな悲しみの日々は、私にもありました。
しかし、この身が砕けずにいるのは
死者が私を守ってくれるからではないでしょうか。
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「大切な人を喪くす」――それは本当に「別れ」なのだろうか。
「死者と生者の協同」をめぐってやわらかな言葉で語る講演とブックガイドで構成された名著『死者との対話』に、新原稿2本を加えて編む。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
tetekoguma
1
3~4月はかなり忙しく本を読む時間も取りづらかったのですが、そんな中、この本を2度読みました。分断と言われ人と人との関係性をどう紡ぎ直すかというのは現代的な課題と思いますが、過去の人、または死者とどう関係を紡ぐのかというのも課題かと思います。若松さんのエッセイは他者の文章の引用に基づくものが多い中、本書は若松さんの言葉や中心で文章も硬めですが読み応えるのある論考でした。2025/04/19
urigaya
1
アランの幸福論、これがすべてだと思う。繰り返し、唱えるように読むと、だんだんと鎮静してゆく。30代に母を、50代で父を送り、残された自身は、死者である彼らと共に、今も、生きていることを実感せざるを得ない。2022/09/25