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内容説明
第二次世界大戦下、激しい空爆をさけて疎開した文豪が、きれぎれに思いかえす平和な日の記憶。表題作と、戦後すぐに発表した随筆を収めた『月と狂言師』をもとに、文庫初収載になる戦時下の永井荷風、吉井勇との往復書簡などを増補した谷崎版「終戦日記」。
〈註解〉細川光洋〈解説〉千葉俊二
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
amanon
5
以前読んだ『月と狂言師』の増補版。興味深い内容ではあるが、『月と〜』の感想でも述べた通り、「疎開日記」では、著者の親族への説明が今一つ不親切で、文脈から人間関係を推察しながら読まねばならないというのがちと辛い。ただ、ああいう切羽詰まった状況の中で、名作『細雪』が執筆されていたんだな…と思うと深い感慨が湧く。また、長く京都に住む者にとって、著者によって描かれる、戦後すぐの京都の姿が何とも言えず味わい深いものに思える。八十年程前の京都はこんなんだったんだな…と。また、永井荷風との往復書簡の存在に驚かされた。2023/06/10
kanikakuni
3
谷崎、疎開先でもけっこういいものを食べるし、酒も飲む。後世から見れば昭和20年8月で戦争が終わることは自明だが、当事者にとってはいつ終わるとも知れない難儀だったことを思えば、谷崎の快適(快楽ではなく)を求める欲に、圧倒される。 もともと中公文庫に入っていた『月と狂言師』の増補改訂版らしいが、やはり古典ほど新しい版がいいと思う。2022/11/27
バーニング
3
本編と言って良い疎開日記には生々しい記録が多く残るが人との交流も活発で食事のエピソードも多い。戦禍の中で『細雪』の執筆が少しずつ進んでいたこともよくわかる。戦後の記述にも面白さや発見があり、合わせて読めるのがよかった。2022/08/29
uchiyama
2
人の日記など大抵面白いものではないと思うけれど、さすがにこれは(文語文体の)リズムの精進の記録のようにも読め、内容のみならず、興味深く。敵機に美しさを見出すところは、淀川長治も同じことを語っていたのを思い出しました。それにしても、転居癖にしろ交友関係にしろ、その生命力の強さには驚かされます…。義太夫節の筋の不自然さについて書かれたものは、目に畳針な人がそれ言うか!とは思いましたが、でも、異様なだけの話を語りの精錬によって芸術に昇華させる、という意味では、文楽に依るところも大きかったのだろう、とも思えます。2024/11/26
食パンの耳
0
2023年 292023/06/05
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