内容説明
話題の『渋滞学』が進化した! トヨタ生産方式の「カイゼン現場」訪問などをヒントに、まったく新しい学問が誕生。無駄とは何か? そのメカニズムとは? 実践篇では社会や企業、家庭にはびこる「無駄」を検証、省き方も伝授し、さらにポスト自由主義経済の新経済システムまで提言。ビジネスパーソンも家庭人も必読の書。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
93
西成先生の本を読むのは4冊目です。これは第2作のようですが日常の無駄などについての例が多く学問というよりも若干評論的な感じがしました。ただ今までこのような分野は理論的な書物がなかったということでの読んでみる価値はありそうな気がしています。2018/06/08
Mr.チャーリー
28
科学者である著者の西成活裕氏が、「無駄」を研究した内容を記した本書。無駄の感じ方は人それぞれの物差しがあって、極めて曖昧。それを科学的に無駄を定義して様々な角度から分析している点がユニークです。社会、職場、家庭と色々な環境における無駄を観察して、無駄を取り除く改善について触れています。まだ発展途上にある研究分野。僕にとって少々難解な内容がところどころありましたが、僕自身の無駄についての視野を広げてもらえた本だと感じます。2023/01/22
姉勤
26
合理化なるもの。かつては肯定していたが、断捨離がもてはやされるようになったのも、不景気による相対的収入源を肯定する刷り込みと言えなくもない。試合前の減量のボクサーのような究極な適合化は、突然の変化への対応に余力をなくす(計量パスした後のボクサーはリミットの数キロ増しているのだが)。自分が他人様を使役して儲ける立場なら、別の感想が湧くだろう。突き詰めれば人間自体が無駄とも言える。2023/02/27
kiki
6
無駄を正しく判断するためには、期間の設定及び目的を明確に定めること。すぐに取れる無駄、取れにくい無駄を使い分けること。見える化を図ることが無駄を省くきっかけとなる。そのために、5Sである整理、整頓、清掃、清潔、しつけを取り入れ、人の行動を習慣化する。そして、ジャストインタイムを徹底する組織を作る。最近は循環型社会を目指すための3R(リデュース:削減、リユース:再利用、リサイクル:再生利用)が注目されている。この取り組みの注意点は、コストが増大する恐れがあること。取り入れるにはより高度な判断が必要となる。2017/02/11
木ハムしっぽ
5
著者は渋滞学を興した後、トヨタ生産方式に出会って本書を著した。工場での物の流れにも渋滞が発生し、「仕掛り」という状態となる。速く流れたいのに滞ってしまう渋滞を研究していた著者にとっては、無駄を考察することは自然な経緯かと思われる。無駄は3つに分類できるという。自覚していながらついやってしまう「ムダ」、後から振り返って気づく「むだ」、本人の努力ではどうしようもない「無駄」。まずは「ムダ」を徹底的に取り除きながら「むだ」に気づく感度を揚げていくことが大事らしい。トヨタ生産方式についても学びを深めたいと思う。2022/11/23