内容説明
霊感体質の高校生・結城クロ。
ある日の放課後、彼は教室で同級生だった長谷川紫音の幽霊と出会う。
紫音を成仏させるため彼女の心残りを解決しようとするクロ。
だが、紫音はその提案を一蹴し、命令口調で「私を生き返らせなさい」と言い放つ。
クロやクロの3人の姉妹、他の幽霊たちも巻き込み様々な事件が巻き起こる。
しかし、やがて紫音の記憶と存在が薄れ始めて……。
あなたは最後の嘘に気づくことができますか?
物語の端々に切ない空気を感じさせるラブストーリーです。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
三代目 びあだいまおう
246
登場人物の優しさと、優しさゆえの苦悩が織り成す素敵なお話。読み口はとてもライトで悪い人も出てこず、軽いラブストーリーがお好きな方にはお薦め。霊感を持つ結城クロは、同級生だった紫音の幽霊と教室で再開。幽霊であること以外以前と全く変わらない紫音に振り回されるクロだが、そこここに未練を残し成仏できない幽霊達が気になってしまう。霊感強き家計のクロの姉妹達はそれぞれに幽霊と寄り添える『技』を持ち成仏へと導くのだが!相手を思う恋心ってこんなに美しくて繊細で儚くて、でもとても強いものなの⁉️展開はきっと予測不能‼️🙇2019/03/15
aquamarine
78
「物語の最後に明かされる、相手を想うあまりについてきた「嘘」とは―。」裏表紙の内容紹介の一文に手に取ったまま戻せなくなった一冊。霊感体質の少年のところにクラスメートだった少女の霊が現れます。彼女の心残りを解決するために彼は動くのですが…。連作短編の形で他の幽霊に出会っては心残りを昇華させてあげる、という形で話が進みますが、どれもとても優しい話で紐に拘る少年の話などは思わず涙がこぼれました。少女が事情故か傲慢なので人によりかなり好みが分かれると思います。最後の「嘘」は私は驚きましたが鋭い人なら気づくのかな。2018/01/17
佐島楓
70
恋愛、ファンタジー、ホラー(そんなには怖くなかったけれど)、ミステリなどいろいろな要素が詰まった作品。あるうぐぅゲームを思い出させる最後の展開は、救いとみるべきなのだろうけれど、この物語全体を覆う悲壮感からすると、賛否あるのかもしれない。2017/03/12
おかむー
68
切ない幽霊モノかと思ってそこそこ期待…したけれど実際はラノベでしたよ。正直肩透かしだったかな。『もうすこしです』。霊を見ることができる主人公・クロの同級生・紫音の幽霊を軸に学校にまつわる幽霊たちの心残りを解決してゆくという、ある種“日常系ミステリ”の変形判なのだけれど、両親を亡くしたクロとともに暮らす夕暮れ時だけ霊に干渉する能力を持つ三姉妹とか、強気にクロを振り回す紫音とか、いかにもラノベな感じだなと思ったら、やっぱりラノベの改稿版でしたよ。クライマックスはそこそこぐっときたけどラストはご都合気味2017/06/10
dr2006
61
成仏とは生きている人の自己満足かもしれない。登場人物の名前がみな色の名前でキャラをイメージし易く、作者の考える生死と霊の概念が自分のそれと近いので読み易かった。霊感体質のDK結城クロはある日、霊体の長谷川紫音と遭遇する。クロを始め結城家の姉弟(藍、緋、黄)はみな霊感体質である。そんなクロに向かって、紫音は「とりあえず私のことを生き返らせなさい」と命令する。霊感体質を活用した非日常系連作ホラーかと思っていたが、友情&恋愛へ傾倒していく後半の展開が凄く良かった。続編もあるようあるようなので楽しみだ⤴2019/06/04