韓非子 悪とは何か

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韓非子 悪とは何か

  • 著者名:加地伸行【著】
  • 価格 ¥968(本体¥880)
  • 産経新聞出版(2022/07発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784819114158

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内容説明

日本人が知らない
性悪説の教科書

秦の始皇帝が、著者に会えたら「死んでもいい」と感動して天下統一に用いた思想「韓非子」。
中国哲学史研究の泰斗による読みやすい訳文と豊富な解説、名著復刊。


『韓非子』は悪に対して面と向かう。悪を事実として認め、その悪を逆手(さかて)にとって法で組み伏せようとする。戦闘的である。さらには悪の上手(うわて)を行き、こちらも権謀術数(術策)を弄(ろう)せよという。権謀術数――これ自身、悪ではないか。つまり、『韓非子』は悪に対して悪をもって立ち向かおうとするのである。悪には法を、あるいは悪(術)を――それは、悪の論理とでも言うべきであろう。
――加地伸行〈『韓非子』とは何か〉より抜粋


乱世に読んでおきたい
悪の論理 90編
悪には法を、あるいは悪(術)を

 しらみの悟り 伯楽(はくらく)の教え あらぬ疑い 君主のありかた 扁鵲(へんじゃく)のみたて 大器晩成 刑罰の用い方 外面に騙されるな 儒家(じゅか)・墨家(ぼくか)の偽り 待ちぼうけ―守株(しゅしゅ) 統御術の重要性 国を食う五匹の蠹(むし) 矛楯(むじゅん) 利で人を動かす 罪は重く 亡国の兆(きざ)し 沈黙する者にも責任を 改革の必要性 悪評の臣こそ君主の利益となる 使いこなせない者とは 職務怠慢と越権行為と 亡国の君とは 人を信ずれば、人に制せられる 君主への意見の出しかた 間男された上、犬の糞(くそ)を浴びせかけられた男 狡兎(こうと)尽くれば良犬烹(に)らる 犯罪防止法

矛盾、守株、余桃罪などの出所になった逸話が満載

【主な目次】

韓非子
『韓非子』とは何か 加地伸行

他、韓非伝、中国における『韓非子』、日本における『韓非子』など豊富な解説

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

小木ハム

9
韓非子の現代語訳&解説本。人間の根本は利己であり、複数いる状態で放置するとカオスに向かい崩壊するので法律・罰則を用いて秩序を保てということ。これはマキャベリの君主論やホッブズのリヴァイアサンにも通じるのではないでしょうか。問題は、私欲に溺れた悪人(社鼠)が法律を作ったり、私情で法を適用したりしなかったりユルユルに運用すること。居眠りした王様に「風邪を引かないように」冠係の人が衣を着せてあげたら、起きた王様が一瞬喜ぶんだけど「越権行為だ」として罰を与えた話が示唆深い。とはいえ、人の善性を諦めたくはないですね2023/02/17

undine

1
法家思想を完成させた人物。韓非の思想は君主が国を治めるために法に基づくべきだということ。人間の本質は利己的であり、道徳よりも法と利益によって統治することを唱えた。孔子が唱える徳治を批判している。一貫しているのは、上からの統治という観点に立って、どちらが良いのかを論じていること。主権は君主にあり、主権在民ではない。法治主義は現代社会に合っていると考えるが、今の社会に韓非子の考えを持ち込む時には気をつけるべき。2023/05/20

in medio tutissimus ibis.

1
修身斉家治国平天下式の儒教道徳主義を超え、人間の利己主義を前提に社会をデザインする青写真を描いたのが韓非子の歴史的意義である。成文法と権謀術数により君子が臣下を管理すべしというのがその骨子である。若さに任せた仕事であって、これでは君主は猜疑心を膨らませ続け、限界まで仕事を増やし続けるほかにない。隠遁無き老荘思想の様な絶望的な厭世感がある。受けの悪さの一因であろう。あるいは神の見えざる手の如き楽天的な君臣の共生を説くことができていれば、秦王は安んじて彼を用い、以後の中国史も違ったものだったかもしれないと思う2023/04/25

やま

1
納得は出来るし、そうだろうとも思う。 だけどやっぱり受け入れ難いのは、後世の人々の評価に同じ。 人、動物は本来利己主義、と言うのは説得力ある。2022/09/27

starlive

0
人は悪いことをするものという前提条件に対して、どうコントロールしていくか(術)、極端であったり乱暴であったりする部分もあるが、唸らせる部分もある。 工学のフェールセーフの考え方にも通じる。2024/10/03

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