内容説明
情報がかけめぐる現代にあって大事なのは、歴史の縦軸・横軸にそって物事を大局的に見ることだろう。
その稀有なる視点を有するのが藤原正彦氏である。
著者は『文藝春秋』誌上において、骨太な論考を寄せてきた。対国政、対コロナウイルス、対中国、対韓国について。あるいは、毎月の「巻頭随筆」においては、時機に則した軽妙なエッセイとなる。
著者に一貫して通底しているのは、「教養」と「品格」と「ユーモア」ということになろう。その言葉は、いかにも日本人の肺腑にズシンと響く。270万部売れた『国家の品格』のエッセンスは不滅なのである。
それらを一冊にまとめて、通読できる贅沢な体験ができるのがこの作品ということになる。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Lara
90
「国家の品格」(2005年)以来の、藤原正彦氏のファンです。当時「外国語以前に、日本語でしっかりと日本の文化、歴史を学び、自分の意見を日本語で発表出来る」ようになることが大切。これには参りました。今回は、「文藝春秋」巻頭エッセイ三年分をまとめたもの。しかし、いちいち納得し、もっともだと思はされます。いつもながらのユーモアたっぷりの文章に引き込まれました。2022/10/13
まちゃ
64
「文藝春秋」の巻頭エッセイと同誌に掲載された論説をまとめた一冊。なるほどと思うことも、そうかなと思うこともありましたが、現在の日本と世界の問題点と日本人が選択しなければならない将来へのヒント、という意味で興味深い内容でした。日本文化の美意識を大切に、現実的な手段を、なのなか。ユーモアというよりおやじギャグ満載でしたが、そんなに嫌いじゃありません。危険過ぎて自分じゃ使えませんがね。2022/11/05
tamami
55
著者は「まえがき」で、「月刊誌『文藝春秋』で、毎月めざましい絶賛と喝采を博している(と思いたい)巻頭エッセイ」と謙遜されているが、本書を読み終えての感想は、文字通り「絶賛と喝采」である。著者幼少以来の貴重な経験や外国で実感された異文化体験、それに裏付けられた著者ならではのユニークな切り口、どの記事も大いに楽しませてもらった。戦時中の海軍と陸軍の話など、これまでの「思い込み」の幾つかが正されたのは目から鱗だった。また第九章「父・新田次郎と母・藤原てい」は、著者の生涯の原点とも言えるもの。粛然たる思いで読む。2022/07/18
kawa
38
エッセイ集。「心は孤独な数学者」がとても良かった著者、手練れの文書作法は安定で楽しめて為になる。先週も走ったビーナス・ラインが戦中には諏訪鉄山の線路としてC12機関車が走っていた。鉄山には200人を超える欧米人が捕虜として従事していた。よく買い物をする「たてしな自由農園」のあたりが著者の母上(藤原てい)の実家のようで夏休みの著者の遊び場だった等、知らなかった歴史のヒトコマがリアルで印象的。2022/12/15
ムーミン
37
コロナ時代の日本や世界の見方、何度も読み返したいです。岡潔、藤原正彦、一流の数学者の自然観に共通したものを感じました。2022/08/27
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