岩波新書<br> 中国のデジタルイノベーション - 大学で孵化する起業家たち

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岩波新書
中国のデジタルイノベーション - 大学で孵化する起業家たち

  • 著者名:小池政就
  • 価格 ¥902(本体¥820)
  • 岩波書店(2022/07発売)
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  • ISBN:9784004319313

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内容説明

キャッシュレス決済やブロックチェーン技術など,中国では目をみはる勢いでデジタル化が進展している.そこには日本からは見えない民間と大学の重要な役割があった.「創業・創新」の中核を担う清華大学に籍を置く著者が,豊富な事例をもとに中国式DXの現状と課題を掘り下げ,日本が学ぶべき点を提示する.

目次

はじめに
第1章 いつの間にか日本の四倍。中国経済のいま
日本にとっては一番の商売相手
さらなる拡大のために求められる内部の進化
第2章 中国式イノベーションの土壌を歩く
新たな組み合わせが新しい価値を産む
不便な生活インフラがネットビジネスの肥料に
肥料のない土壌で苦戦する日本のキャッシュレス
旺盛な創業意欲がネットと出会う
第3章 創新・創業を支える大学コミュニティの内側
大学で孵化する起業家たち
寛容と挑戦を重んじる風潮
中国市場への橋頭堡とする外国企業
大学と外部を げるサイエンスパーク
中関村 教育区が一大創業区へ
過熱する証券市場からも流れる資金
第4章 ブロックチェーンに注力する民と官
蟹もワインも本物を保証
規制も国境も越えるたくましさ
理念を軸に経済圏を創造するリーダーたち
デジタル人民元で中央集権の強化へ
第5章 諸刃の剣を巧みに扱う政府
管理下での容認
巨人を手懐けられるか
独禁法を振りかざすも本気度は?
政治闘争の様相が色濃く
デジタル経済の要の半導体は内製化を推進
日本の教訓は生かされるか
「一帯一路」もデジタルで拓く
第6章 日本にも「プラス」とできるか
何のためのデジタル化なのか
新しい市場を開拓するために
中国への心理的距離と国内の空気
おわりに

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

崩紫サロメ

26
清華大学客員研究員だった著者。失敗が多くても学生に起業をすすめ、失敗を容認し、再起を促すという同大学の学風と日本の官僚型エリート教育の違いを紹介。また、国家主導と思われがちな中国の様々なイノベーションが「上に政策あれば下に対策あり」というせめぎ合いの中で生まれているとする。「管理下での容認」という形で諸刃の剣を巧みに扱っている政府であるが、これからどこに行くのか。2022/07/14

さとうしん

20
著者は清華大学に在籍していたということだが、ブロックチェーンについて、政府の度重なる規制をくぐり抜けてなおイノベーションを達成し、時に理念優先で突っ走るほど意外に理念やビジョンを重視するなど、「中国通」ほど見ようとしない、語ろうとしない中国人の姿が描き出されている。また、中国人がネットで日本に対する好印象を語るほどには、在中の日本人が等身大の中国を語ることができない日本人の偏見の根強さや、日本のネットの問題にも触れている。反中本にも「中国通」の中国論にも飽き足らない人向けの好著。2022/08/16

nagoyan

12
優。著者は元衆議院議員、清華大学客員研究員等を経る。中国におけるデジタルイノベーションには、政府の奨励と統制という印象が強かったが、著書は、中国のデジタルイノベーションは、むしろ、政府の奨励や統制の及ばない、活発な起業活動にあるという。清華大学の学生たちは、巨大な大学都市という実験場をばねに、起業家として成長していく。中国社会の、熱気を、伝えてくれる良書。翻って、30年間リストラに明け暮れた、わが企業経営者、学者、メディア。嗚呼。2022/07/12

p31xxx

8
全然失敗してもよい、という教えで、清華大では積極的な起業が行われる。ビジネスに国が強力に規制するのは、国策を強力に進められる利点があり、欠点として新しいビジネスの抑止につながりそうだが、欠点になるほどでもないのかな。人的資本、文化が醸成されて成り立つソフト・パワーとの両立は、国外との断絶はあろうが、なんらかの形で成るだろう。モノ産業が高度化の次に、サービス産業の高度化の文脈にも合う。ペティの法則は、一人当たり所得が上がったときの家計が指向する消費の多様化として納得できる。(所得が減った国はどうだか…)2022/07/13

つまみ食い

4
著者が国際問題、経営学などを学び米英中を留学する中で見えてきた中国社会の現実や問題、見習うべき点を中立的に、しかし日中交流の架け橋になりたいという理念に裏打ちされて書かれている。維新の会にいいイメージを持っていないことから、著者が元々この政党に所属していたとのことで少し身構えてしまっていた(それこそこの著書で扱われる「偏見」かもしれない)が、そのことを反省。2022/07/04

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