内容説明
「この人を待っていた。」-養老孟司-
透明感のある文章に魂が洗われる日本版「センス・オブ・ワンダー」誕生!
かつてレイチェル・カーソンが「沈黙の春」を予言した。2019年、ミツバチのいない養蜂家になった著者が、ニホンミツバチとの暮らしを軸に、自然と寄り添うべき暮らしの姿を自身を
通して模索する。郷土の芸能、季節の営みなども織り交ぜた春夏秋冬をめぐる物語的エッセイ。小さな生きものたちとの暮らしを通じて得た「わたしは何も知らない」とは。蜂をめぐ
る自然と郷土の暮らしの物語。養老孟司氏との対談を収録。
<目次>
○ニホンミツバチの世界
○春 厳しい越冬/希望と旅立ちの春/ニンホンミツバチが気に入る物件作りと分蜂/ノア
○夏 夏のミツバチ/夏の郡上/美しいワサビ田のお話/お米づくりと昆虫の暮らし/年に一度の採蜜/ミツバチの優れた集団防衛/天敵/ヘボ獲りの話/ニホンミツバチとの
出会い/それぞれの暮らし、生きる姿
○秋・冬 台風/白鳥神社のお祭り/晩秋のコケ採り/冬のしろとり
○再び、春 ノアとの別れ/それでも春は来る
○セイヨウミツバチとニホンミツバチ
○バイオフィリア対談 養老孟司×西村玲子 自然の力を得て生きる
○養老先生へ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kanki
17
鯉農法や冬水田んぼの稲作も。自然回帰したいが、農薬の大切さも。田舎のカフェは虫が入って対応に困るのか。2024/09/12
とこまた
3
2022年春、重箱式の巣を作り1箇所だけ設置した。 のちのち考えれば本当に運良くここに一群が営巣を…。職場帰りに覗いてみるのが楽しみで仕方がなかった。犬ネコたちとはまったく違う、なんとも言えない可愛さがあり、もちろん蜂蜜が楽しみではあったが何よりも、彼女らの健気さに日々心が洗われる思いで飽きることなく眺め続けていた。 残念ながら昨年秋からアカリンダニらしきヤツらの影響か徐々に群れは消滅、2023シーズンは春先から1匹のミツバチも寄り付いていない。 来シーズンへの期待を膨らませつつ読みました。2023/10/24
rakuda
2
著者の、ミツバチ、そしてまわりの自然に対する繊細で愛情あふれる眼差しに基づく丁寧な暮らしぶり。その空気感が読んでるうちに染みてきて、こちらも穏やかな心持ちになってくる。ミツバチは自分もいつかは飼ってみたいと軽い考えでかねがね思ってはいるけど、それはそれでクリアしていかなければならない苦労もあるみたいで…。それにしても、ムカデに対して怖れ、不快感を感じるのと同時にその造形に美しさをも感じてしまうという著者の感受性は印象深く残った。2022/08/20