新潮文庫<br> いまは、空しか見えない(新潮文庫)

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新潮文庫
いまは、空しか見えない(新潮文庫)

  • 著者名:白尾悠【著】
  • 価格 ¥649(本体¥590)
  • 新潮社(2022/07発売)
  • GW前半スタート!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~4/29)
  • ポイント 150pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784101041414

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内容説明

父親からの抑圧に耐える高校生の智佳。誰にも言えない夢があり、密かに日帰り旅で東京へ向かう。そのバスで同級生のギャル・優亜と遭遇し、彼女の“男への復讐”を手伝うことに。智佳は大好きなホラー映画から着想し、復讐劇を実行するが……。何年経っても拭い切れない、怖れの記憶。暴力に歪められた自分の心を取り戻すため、懸命に闘い続ける少女たちの、希望への疾走を描く連作短編集。(解説・彩瀬まる)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

佐島楓

70
それぞれ違った傷を抱えながらも、懸命に自分の人生を走りつづけるふたりの女性を描いた小説。当初高校生だったふたりの出会いのエピソードがだらだらっと続くのかと思ったら、いい意味で裏切られた。著者のほかの作品にも興味がわいた。2022/08/22

papapapapal

49
「家」という狭い空間で父親の機嫌を伺いながら、執拗な抑圧に耐えて決められた道だけを歩いてきた高校生の智佳が、懸命に闘おうとする同級生ギャル・優亜の姿に感銘を受け、自分の人生を取り戻す道のりを描いた連続短編集。暴力、レイプ…目を背けたくなる実状から前に進むために、彼女たちが震える足に力を入れて立ち上がる様は希望に満ち溢れている。闘っても闘っても現れる新たな敵…それでも私たちは闘い続けるしかないのだ。自分の未来を、自分の手で切り開くために。その先にきっと、パーン‼︎ と弾けるような春が待っていると信じて。2022/09/24

akiᵕ̈*

41
映画製作という夢を持ちながらも生まれてからずっと父親の抑圧により父の望む通りの生き方をしてきた智佳を中心に、そこに関わる人たちの視点を交えながらの連作短編。高校卒業後の進路先の大学はどうしても東京に出たかった智佳は、好きな監督の講演を聴きに行くためにバスで向かおうとする中、同級生の優亜と居合わせ行動を共にする中で、自分自身の内なる気持ちを知るきっかけを掴む。優亜は優亜で心に大きな傷を抱えて生きていた。男性が力や言葉で振りかざす暴力はあまりにも卑劣すぎる。自分が自分であるために前に進む2人の輝きは眩しかった2023/07/10

よっち

26
抑圧する父親に反発して日帰り旅行を決行したホラー映画好きの優等生・智佳。偶然長距離バスで乗り合わせた同級生のギャル・優亜と出会い、人生が変わってゆく連作短編集。父親に縛られていた智佳、祖母の呪縛を看取った母、辛い過去に苦しめられる優亜、そして彼女の背中を押してくれた翔馬との出会い。外の世界を知って飛び出してみてもそうそう現実は甘くなくて、それでも多くの人と出会ってゆく中で、過去は断ち切れなくてもきちんと向き合えるようになってゆく結末には心に響くものがありました。書き下ろしショートストーリーも良かったです。2022/07/27

えりまき

19
2023(118)連作短編集。とても良かったです。一気拝読。厳しい父親からの抑圧に耐える優等生・智佳と、同級生のギャル・優亜。智佳の父親のモラハラが怖い。「せいぜい中学生くらいまで『夢を見ろ』って言って、それ以降は『現実を見ろ』。あげくのはてに『最近の若者には夢がない』なんて嘆いてさ。反対を振り切って夢を追いかけて、諦めて帰ってみれば、『だから無理だって言ったのに』みたいな顔されるの。でも夢を追い続けるって…その先へ、まだ、もっとって、闇雲に頑張り続けるのは、しんどいよ」 2023/04/26

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