内容説明
作家・野々村保古は、最愛の女性ことりと、四匹の猫といっしょに暮らしている。十五歳下のことりと知り合ってから二十年、二人はかたときも離れることがなかった。還暦を前にした野々村は、知人の死をきっかけにこれまで出会った人たちへと思いを馳せるようになる。そんな時、ある事件からことりへの疑惑が生じ……。人生という「奇跡」の意味を考え、小説の淵源へと迫る著者渾身の自伝的作品。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
44
人生の奇跡から小説の原点を語っているようでした。長いこと片時も離れなかった存在と夢。自分の寄り添う希望や夢とは何かを考えさせられました。2024/07/25
時代
11
白石一文氏の自伝的小説。妻のことりがいかに大切な存在なのか。やっぱり作家さんって変わってらっしゃるんですね。大変興味深く楽しませて頂きました◯2022/08/15
かずぺん
4
深淵を漂うかのような心境にさせる。2022/11/01
てったん
4
自伝的作品とあるため、どこまでがホントで、どこまでがホントじゃないかわかりませんが、とにかく面白かったです。男女の違いに関しての考察は完全に男の視点なので、どうかと思うこともありますすが、まあ概ね白石さんの考えに納得しますね。 双眼鏡の話が一番興味深かったです。確かに焦点が合わない人がほとんどの中、バッチリピントが合う人って、関係の長さとか関係なくいますよね 。 何度も読み返す小説になると思います。2022/08/12
TT
3
634ページと長いが、何か事件らしいものがおこるでなく、小説家の思索、回想、日常が綴られる。 記者時代の知見は参考になった。 白石一文作品の愛読者におすすめ。 白石一文作品の一作目にはおすすめしない。 2023/03/10