内容説明
正子は75歳の元女優。CMで再デビューを果たし、順風満帆かと思いきや、ある出来事で事務所を解雇され、急きょ、お金が必要な状況に。周りを巻き込み逆境を跳ね返す生き方はマジカルグランマ（理想のおばあちゃん）像をぶち壊す！ 第161回直木賞候補作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ミカママ
505
「マジカル⚪︎⚪︎」の意味を知らず、装丁画より「皆に愛される可愛らしいおばあちゃん」的な内容を期待していた…が、蓋を開ければ、「自分大好き」「自分の夢を叶えるためには手段を選ばない」、ときどきはちゃんと反省もし、世相について行くべく学ぶことも忘れない、主人公・正子さん。元々が女優であり、有名監督と結婚していた彼女、振り出しからして普通のおばあちゃんではないわけだが。途中多少のご都合主義に興醒めする部分あるも、いくつになっても努力を惜しまず、夢を追い続ける彼女に元気をもらえる読者は多いだろう。2023/07/28
エドワード
64
７５歳の元女優・柏葉正子は、若い俳優とＣＭで共演し人気が出るが、不注意な発言からバッシングを受けＣＭは契約解除、収入を断たれる。空気を読まず自我の強い正子だが、映画好きの杏奈や近隣の明美や野口を巻き込み、ディズニーランドのホーンテッドマンションから閃いて自宅のお化け屋敷計画を実現する。マジカルグランマは「風と共に去りぬ」等のハリウッド映画のマジカルニグロに由来し、他にも「オズの魔法使い」等もヒントになっている。高齢の正子と若い杏奈や明美の知恵が自由に交差する様がいい。現代日本の幸福はここにあり、だね。2022/08/12
macchacappuccin
53
柚木麻子先生、恐ろしい人…！！私にとって最愛の女神作家の1人（もう1人は豊島先生）柚木先生の私達人間全般への視線は強くて、したたかで、ちょっぴり意地悪•ブラックだったり、そのくせ優しくて、いつだって肯定•包容してくれて勇気と力をくれる。いちディズニーファンとして、ウィキッドオタとして、敬愛する柚木先生の作品世界にディズニーやオズが登場して推し同士の夢のコラボに大興奮。胸激熱でした。宇垣美里アナ見る度に、柚木作品「けむたい後輩」の最推しキャラ•浅野美里ちゃんを重ねてしまう私としては、今回後書きにもまた感激。2025/05/25
まこみん
46
差別する側にとって都合良く作られた人格､マジカル◯◯｡75歳の主人公はそんなステレオタイプのおばあちゃん像をぶち壊しながら､貪欲に我儘に周りを巻き込み思った事をやっていく｡認知症の幼なじみにお目当ての役を奪われ､益々発奮する姿には凄いと圧倒させられた｡2024/09/23
たるき( ´ ▽ ` )ﾉ
45
タイトルから、勝手にファンタジックなフワフワした内容を想像してしまい、あまりのギャップについていけなかった…。マジカルニグロという言葉もこの本で初めて知り、色々と考えさせられた。今の気分で読む本ではなかったので、また違うタイミングで読んだら感想が変わりそう。2022/12/15
