ちくま文庫<br> ふしぎなお金

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ちくま文庫
ふしぎなお金

  • 著者名:赤瀬川原平【著者】
  • 価格 ¥715(本体¥650)
  • 筑摩書房(2022/07発売)
  • ポイント 6pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784480437938

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内容説明

財布は拳銃や刀に似ている。護身用であり、権威にもなるからだ。財布は人を殺すための道具ではないけれど、「人は金のために人を殺したり、金のために自分の首を吊ったりして、金はやはり隠然たる凶器の光を忍ばせている」――。お金とはいったい何なのだろう? 「千円札裁判」で日本現代美術史に一石を盗じた赤瀬川原平が、お金の本質について考える。

目次

I 財布と拳銃 A Wallet and a Pistol
II 現金は血液 Cash is Blood
III お金の祖先 The Ancestor of Money
IV ニナの手形 Ninas Bill
V 悪貨は良貨を駆逐する  Bad Money Drives Out Good
あとがき
解説 「ぺしゃんこの子供」 山口 晃

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

keroppi

82
「こどもの哲学 大人の絵本」シリーズ3作目。今回はお金がテーマ。赤瀬川さんの「千円札裁判」を思い出すが、お金は凶器でもあり、血液でもあると展開する。その着眼点は面白いのだが、何故か前2作ほどハッとしない。それは、現代がお札でなくキャッシュレスの世界になってきたせいではないかたと思った。今は、お金というものを目にしないことが多いし、触れることも少なくなった。スマホでピッとやるだけで物が買えてしまう。ただ、この本にも「お金はますます見えなくなった」という文もあり、赤瀬川さんは、今を想像していたのかもしれない。2022/05/15

へくとぱすかる

55
コートを預けることが、まるで武器をあずけて丸腰になることと、同じ感覚ではないのか、という話からお金の話に自然にシフトしていく。その自然さが絶妙で、「お金とは何か」という、まさに哲学的な議論をすんなり受け入れさせてくれる。サイフからのぞく一万円札の絵がリアルなのは、赤瀬川さんの「千円札裁判」をどうしても連想する。Ⅳ章の、飼い犬のニナの話には、一番びっくりするが、約束手形の「約束」の意味を、しっかり悟ったと思う。そこからお金(コインでもお札でも)の意味にたどりつくには、わずか一歩しかない。入門書としてすごい。2022/05/18

空猫

38
『レモンをお金にかえる法』という絵本が分かりやすくて、経済学について初めて読む本には最適だと思っている。本書はもう少し詳しくて、それでいて哲学的でもあり、次のステップに最適だ。…「お金」とは、銃(武器、刀)の、あるいは血のようである…。赤瀬川氏の「子供の哲学 大人の絵本」というシリーズらしい。挿し絵もお洒落だし。続刊もどんどん読むよ。2022/09/25

Shoji

30
著者があとがきでこう書いています。「疑問というのは、解決すれば科学になるが、解決しない疑問は哲学となる」。なるほど!。この本はお金がテーマです。お金とは哲学のようです。答えが出ません。例えば、お札と拳銃は、護身のためか攻撃のためか。答えが出ない。お札と血液は、人目のつかないところにあるもの、吹き出し始めれば際限がない、流体である、生臭いものである、いきなり見せられるとドキリとする、なくてはならない。キリがない。やっぱり哲学だ。実は私、こんなことを考えるのが好きである。屁理屈好きな方にお勧めです。2024/11/16

阿部義彦

23
赤瀬川原平さんの哲学絵本の第3弾です。今回のテーマはお金です。結局貨幣は『国会で青島幸男が決めたのだ!』byバカボン ではないですが決まり事に過ぎない事を暴露しています。共同幻想ですか?そして、それからの飛躍、犬だって約束手形を知っているには魂消ました。この部分はたしか文章でも書かれていたと思います。ご本人も生前、胃潰瘍になりながらも1000円札を精密に模写して裁判になっただけあります。その後懲りずに零円札を発行した顛末もあっぱれです。イラストがまた良い味をだしてます。2022/05/18

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