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内容説明
目利きになる――いまブームの日本美術。最良の入門書にして「特異な美」の深みへといざなう一冊。/小林秀雄は著書の中で、「骨董はいじるものである。美術は鑑賞するものである」と書いた。この「いじる」、つまり「使う」ということが、日本美術の大きな特徴だと僕は思う。茶碗は、お抹茶を飲むための道具であり、仏像は、手を合わせて祈る対象なのである。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
大先生
10
【「使う」ということが、日本美術の大きな特徴。「美を見極める力」は、モノを扱う経験の積み重ねで培われる。自ら手に入れて一緒に暮らすことでしか「美を見極める力」は生まれない。古美術は消費の対象ではなく、古美術を所有する人は時代の「一時預かり人」である。】という主張のもとに、様々な古美術品(茶道具や古筆・古画、仏像、土偶など)が紹介されている本です。正直、私には理解・共感できない世界でした(苦笑)。著者は白洲次郎・正子、小林秀雄を祖父母に持つそうですが、そういう人じゃないと分からない世界かもしれないですね。2022/02/03
へへろ~本舗
5
全編カラーのお陰で色、形、模様がはっきりわかる上に呼び継ぎやヒビなどもはっきりわかってとても良かった。古美術の事だけに関わらず歴史的背景、骨董界の話、更には著者の祖父母の白洲正子・小林秀雄、青山二郎などの話も載っていて古美術・骨董は門外漢の自分でも面白かった。2021/02/16
トラッキー
4
タイトルとパラパラめくった時の美しいカラー写真に惹かれて購入。美を見極める力が養えたとは思わないが、そんなに難しく考える必要がないことはわかった。筆者が繰り返し主張するのは、美術品を使い、共に暮らすこと。どこか暗いところに安全に保管しておくのでなく、特に茶器や陶器などは日常的に使って、慣れ親しむことで、美術品の側もより良いものに変化してくると説く。同じ理由で、日本の古美術が国内で死蔵されるよりは、海外に渡って多くの人に見られ、使われ、評価されることをよしとする。こういう見方もあるのかと大いに学んだ。2020/02/27
yyhhyy
3
古美術収集家の名門の人が数々の著名な美術を紹介する。自分はこの分野に疎いので知らないことばかりだった。意外にも作家が古美術収集していたことや、中国美術を日本の美術館が保有していてその後オークションで高値で売るなどもあるということも本書で知った。2021/06/27
静かな生活
2
小林秀雄が重用されていることは重要。結局、小説とか劇とかいう「文芸」もまた「いじる」「使う」必要があるし、事実日本人はそれを得意としてきた。2020/08/08