内容説明
『刑事コロンボ』『ジェシカおばさんの事件簿』等の推理ドラマで世界を魅了した名コンビが、ミステリー黄金時代に発表した短編小説の数々!
郵便配達人が知った大事件の秘密を描くデビュー作「口笛吹いて働こう」を筆頭に、コロンボの原型となった殺人劇「愛しの死体」など、田舎町からショウビズ界まで、さまざまな舞台で展開される、多彩な犯罪物語や怪談といった、謎と興趣に富んだバラエティあふれる作品を収録。
※本電子版は、著者との契約により、「幽霊の物語」の1作品が収録されておりません。ご了承ください。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
海猫
94
日本独自編纂の短篇集。10編収録。各編長さが手頃で読みやすく、ヒネリが効いてたいへん面白い。ハズレも無く、短編集として打率が高かった。毎度タイトル通り「皮肉な終幕」がある。すべてクライム・ストーリーではあるが、各短編の趣向はそれぞれ違うので、飽きない。後半になるにつれ作品のミステリ度合いが高くなって、楽しかった。特に「愛しい死体」は「刑事コロンボ」の原型になった作品だけに、倒叙推理の味わいが強い。「強盗/強盗/強盗」は展開が皮肉すぎて、可笑しみすら感じた。「ジェシカって誰?」は短いながらもサスペンスフル。2021/10/12
オーウェン
58
「刑事コロンボ」を生み出した脚本家コンビのレヴィンソン,とウィリアム・リンク。 その2人が手掛けた10個の短編小説集。 皮肉とある通り、ブラックユーモアのオチが多く、また捻りを加えた交わしの話も。 ディーヴァーが手掛けるような切れ味鋭いオチもある。 またコロンボの原型の様な刑事が登場する話もありで、どのエピソードも20ページくらいなので非常に読みやすい。 続編があるようなので、ぜひ読んでみたい。2022/09/11
したっぱ店員
43
コロンボの生みの親たちが手掛ける短編集。すっと入ってこなかったりよくわからないものもあったけど、短いページ数で先が読めない展開が面白い。やっぱりコロンボ第1作の下敷きとなった「愛しい死体」が一番良かった。2021/10/01
ニミッツクラス
36
21年(令和3年)の税抜850円の文庫初版。レヴィンソン&リンク劇場と銘打ったミステリ短編集(全2巻)の一巻目で10編収録。二人の業績については多言無用で、クイーンのような統一ペンネームも有りかと思う。表題から連想される内容の初期作を編纂した日本オリジナル。“皮肉な”オチが楽しめ、当たり前だった執筆当時の男性社会の雰囲気も感じられる。巻頭作からすでに唸る。9話目「ジェシカ…」は詰めが惜しい…って言うかオチてない? 「愛しい死体」が最終的にコロンボ「殺人処方箋」まで昇華する経緯は解説にある。★★★★★☆2023/09/22
ハスゴン
36
この時期にランキングお祭りでしょうが、この中の愛しい死体、ジェシカって誰?を読むだけでもこの文庫を買う価値があります。若干未訳本があるらしいので期待したいです♪2021/12/10