内容説明
日本橋三越の柱に、幼いころ実家に貼ったシールがあるのを見つけたところから物語は始まる。狂気と現実世界が互いに浸食し合い、新人らしからぬ圧倒的筆致とスピード感で我々を思わぬところへ運んでいく。
誌上発表後、新聞各紙絶賛、話題沸騰の受賞作を緊急刊行!
第65回群像新人文学賞受賞作(選評より)
語り手、そして読む人の立つ足下が揺るがされる――柴崎友香
絶望的成長小説である――町田康
最も文章の水準、小説技術の水準の高い作品だった――松浦理英子
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
303
第167回芥川龍之介賞受賞作・候補作、第三弾(3/5)です。小砂川 チト、初読です。タイトルと表紙絵から期待して読みましたが、現実・日常と幻想・狂気が未消化のまま読了となりました。 https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=00003683912022/08/13
馨
239
受賞ならずでしたが芥川賞候補になるだけあると思いました。私の頭では理解できない狂気めいた話で哲学的?結構一所懸命読みました。小波が三越で見つけた実家に貼ってあるのケロッピのシール、母から父だと教え込まれたマネキンの坑夫が、小波の日常に現れ始め衝動が止まらなくなる。地元のシーンは展開が速い。以後の小波の未来が気になります。確かに自分も実家に幼い頃貼ったシールの痕がありよく覚えているし、幼き頃に母から言われたことは全部信じていました。小波も幼き自身や母親からの脱却、成長だったという捉え方で良いのかな。2022/08/20
まちゃ
165
第167回芥川賞候補作ということで手にした一冊。「家庭用安心坑夫」ってタイトルからぶっ飛んでますが、内容もシュール。映像化したら奇行の連続、行間から作者の意図を汲み取り共感できるかで評価が分れるような気がします。読み手を選ぶ作品。2022/08/26
いっち
158
「家庭用安心坑夫」というタイトルがおどろおどろしく感じた。安心という文字が入っているのに、安心感がない。「坑夫」は、主人公の実家近くのテーマパークにある、マネキン人形。このマネキンを、母は主人公の父親だと教える。さらに、テーマパークに行ってマネキンに会うことを「墓参り」と言う。母が死んだ後、30歳を過ぎた主人公は、渋谷のスクランブル交差点やワクチンの集団接種会場で、このマネキンを見る。「墓参り」するため、実家に戻る主人公。マネキンを盗むことにする。奇妙な話に読めるが、主人公の悲惨な境遇が垣間見えて面白い。2022/07/16
りぃぃ
147
現実なのか妄想なのか…読みやすいのに、意味が分からない不思議な内容。気持ち悪さもあり、一体なんなの?って思いながら一気読み。 表紙が世界観を表していて良い。2022/09/11
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