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内容説明
毎年8月に岡山で行われる、よさこいの一種「うらじゃ」。コーチ役として地域の踊り連への参加を頼まれた中3の由良あさひは、学校では関わることのなかった“問題児”ばかりの4人の同級生と出会う。踊りの練習を重ね、温羅(うら)伝説について知るうち、5人は少しずつ理解し合い、それぞれの抱えるトラウマを乗り越えていく--。
あさのあつこ氏、推薦コメント
うらじゃの熱気と五つの若い魂の熱がぴたりと重なり、読みながら心が震えっぱなしでした。
夏が始まる。うらじゃが始まる。熱い物語が幕を開ける。
小学上級・中学から
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
かな
47
岡山県で行われるうらじゃ祭り。桃太郎伝説のもとになった温羅という鬼の魂を天上に還す祭り。ある中学の内申点低めの生徒の救済措置のため作られたうらじゃプロジェクト。内心点に若干問題のある生徒4人が集められた。ごく普通に中学生活をおくるあさひがなぜか、うらじゃの経験があるというだけでうらじゃプロに召集されリーダをまかされた。うらじゃ祭りが大好きだった兄の死に蓋をし、自分の感情を殺し親とすれ違い自分を欺いてきたあさひ。うらじゃプロに集められた4人の仲間たちと何もかも忘れ一心不乱におどるあさひに涙がとまらなかった。2022/08/11
けんとまん1007
46
中学生の頃って、こんな感じなんだなあ~。どこか不器用でいて、それでいて見栄っ張りなようなところもあって、素直に表現しきれない頃。それでも、一つ、同じ方向を向くことができると、急速に打ち解けあう。そんな子どもたちを、いい意味で取り囲む大人たちの存在も大切だ。2022/12/25
Kepeta
16
ローティーン向けの児童小説として非常に手堅い作り。大人が読んでもしっかり感動します。 桃雉猿犬鬼に仮託された5人の少年少女が、うらじゃとチームを通して各人の抱えるそれぞれ性質の異なる問題・境遇に新たな視点を持ち込む事で一皮むけていく姿を描いていく。児童文学の重要な役割である「読者である子供たちに自身の主観と経験を超えた世界のあり様に気付く端緒を与えること」にしっかり応えた良心的な作品だと思います。誰にとっても甘くはない現実と折り合いをつけていく為のカタルシスの場であるうらじゃを、私も追体験できました。2024/03/24
雪丸 風人
14
「きび団子一個で鬼退治は無理がありますよね?」に笑った!中3の問題児ばかりを集めた祭り舞踊チームが奮闘する物語です。迷走や脱線を繰り返す彼らのコーチ役を任されたのは穏やかで目立つのが嫌いな少女。はじめはバラバラな5人でしたが、苦楽を共にして演舞にのめり込むうちに繋がりを深め、それぞれが変貌を遂げていきます。練習の時だけだった関係が、絆に変わっていくところがいいですね。YOUTUBEのうらじゃ動画も視聴してみましたが、元気いっぱいに叫び、舞う姿を見て彼らに会えた気がしましたよ。(対象年齢は11歳以上かな?)2022/09/26
vodka
10
良かった、、、題名や表紙のイメージよりずっとずっと温かくて優しいお話です。図書館本でしたが購入します!2022/12/07