内容説明
深海探索の歴史、次々発見される生物たち、新薬の可能性を秘める新しいバクテリア、多くの国や企業が欲しがる莫大な鉱物資源………。炭素の吸収源として人の暮らしや地球上の生物、気候・気象システムに大きな影響を与える深海の生態系。英国の著名な海洋学者が深海が地球上の生命にとっていかに重要かを、さまざまな研究者の証言や資料・研究をもとに語り、謎と冒険に満ちた、海の奥深く、不思議な世界への魅惑的な旅へと誘う。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
本の蟲
14
宇宙と並び、人類にとって未知の領域「深海」についての一冊。エネルギー源がない(と考えられていた)ため、長らく生命が存在しないと思われていた深海。第一部では徐々に発見が進む深海生物の驚くべき特性。地上とは全く違う化学合成に依存する生態系について。二部では地球環境は深海に支えられている事実と、新薬発見等、人類を生かす深海の可能性について。三、四部では、深海漁業や海底金属の採掘によって深海が受けるダメージと地球環境への影響。深海ビジネスの可能性と危険性について語られている。日本の深海研究もちらほら言及され(続2022/10/09
スプリント
11
深海に対するロマンだけでなくビジネスチャンスも感じさせてくれる内容です。 資源という観点だと宇宙よりも可能性を感じますね。2025/01/19
でんがん
7
深海に眠るレアメタルに興味があり読んだ。レアメタル関係は勿論面白く読んだが、それ以外も良かった。深海に形成された独自の生態系はどれも興味深かった。マンガン鉱床に眠るレアメタルは人間が使用する数千年分の量に相当するらしいが、それを採掘すると深海の環境に取り返しのつかない悪影響を及ぼし、特有の生態系が失われてしまう。地球最後のフロンティアを残すべきか(あるいは生物が生み出す新物資を一部拝借するだけにするか)、金属を採掘して電池や太陽光パネルなどの再生可能エネルギーとして活用するか、どっちがいいのかだろうか。2022/08/03
乱読家 護る会支持!
5
地球の表面の10分の7は海。 そのほとんどが、深さ200メートル以上の深海。 熱水噴出孔の周りに棲む、メタンや硫化水素を生活の糧に化学合成で生き続ける生物たち。 吸血イカ、透明タコ、海の蝶、毛むくじゃらの雪男ガニ、熱水噴出孔で鉄製の殻を作る巻貝など。 そして、深海にある資源。マンガン団塊、レアアースなど。 科学技術の進歩によって、深海の調査、採掘が出来るようになってきました。 これから、深海開発で先進国の利権争いが起こってくるのでしょう。 海洋国家である日本は早く自立した国にならないといけないですね。2022/10/19
john
4
海があるから、地球は必要以上に暑くならず、今の環境を保っている。人類にとって不用なものを飲み込み、人間を支えてくれる。 それなのに人間のすることといえば海をマイクロプラスチックやら、重油やらで汚染し… アポロ 13号の事故で宇宙飛行士たちがやっとのことで地球に帰還した時も、月に置いてくるはずだったプルトニウムの動力源を持ち帰らざるをえず、それはトンガ海溝に沈んでいるらしい。800年もの間取り出せない設計だそうだ。地球はどうなってしまうのか?2022/08/06
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