内容説明
1972年に竣工した、日本建築史に残る名作、中銀カプセルタワービル。
2022年、この建物の解体が行われます。
本書は、 写真400枚以上、114カプセルを収録する 、最大にして最後の記録集です。
2本の論考(松下希和氏、鈴木敏彦氏)、黒川紀章の子息である黒川未来夫氏と
メタボリズム研究の大家である八束はじめ氏の対談も収録 、これ以上ない内容です。
カプセルタワーは、解体後にカプセルの再利用が予定されています。
「中銀カプセルタワービル」としての最後の姿を、存分に御覧ください。
「解体はされますが2022 年は中銀カプセルタワービル竣工50 周年
の記念すべき年です。本書の出版を筆頭に、企業や団体の協力によ
り様々なイベント等が展開されます。また実物のカプセルとみんな
の思いは、日本はもちろん海外にも引き継がれていきます。これが
きっかけで新たなクリエイターやアーティストが誕生し、メタボリ
ズムの思想を引き継いだ「シン・カプセル建築」が生まれる、そん
なワクワクする未来が訪れることを願っています。 」(本書より)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
コットン
67
あんコさんのおすすめ本。黒川紀章が作った代表的なメタボリズム建築:中銀カプセルタワービルの記録本。色々な部屋が紹介されていて面白い。特別凝った感じはないもののどことなくレトロ未来感があるB1004が好き。すぐ隣の窓を見えなくする工夫も簡単だけど効果あり。
とよぽん
55
読友さんの感想で中銀カプセルタワービルという建築物を初めて知った。こんな面白い発想で建てられた空間、実際に住んでいる人の写真もさまざまで感心した。取り壊されるのは惜しいけれど、この延長・発展的なカプセルタワーがいつか造られたらのぞいてみたいと思う。2022/05/31
つーこ
38
外観は何度となく見てきたが、部屋の中を見たのはこれが初めて。狭く限られた空間が、逆に自分の世界を作るのにはもってこいだったのかも。これは芸術作品だと思うので、世界中の美術収集家から購入希望が殺到するのもうなづける。銀座からは姿を消すが、世界中の美術館などで語り継がれる価値のある建物だ。2022/10/01
シフォン
34
2022年竣工50周年の中銀カプセルタワー、解体が始まってしまったが、メタボリズムの思想に基づき25年毎にカプセルを交換するコンセプトだった。10平米に円窓のカプセル空間、140のカプセルたちの最後の記録が写真で紹介、リフォームされた素敵なカプセルだけではなく、壁紙が剥がれ、腐食してしているカプセルも一部載せている。ホモ・モーベンスの住まいという考え方は、進んでいくのではないかと思う。今後のカプセルKや次回の大阪万博でカプセルの使用に期待したい。2022/06/05
ゆか
18
見たいと思いながら、計画をたててまで見ようとしなかった中銀カプセルタワー。実際に見たのは、パナソニック美術館からの道、やたらにカメラを構えている人達がいて、なんだろうと振り返ると、中銀カプセルタワーであり、取り壊し前日であったことを、次の日のニュースで知った。埼玉の美術館の公園に、このカプセルがひとつ置いてあることも、一度目の美術館の訪問時には知らず、二度目の訪問時に展覧会の内容で知ることができた。この本では、実際に暮らす人達の写真と、老朽化された部分とを見ることができる。カプセルハウスKの茶室も見たい。2022/06/16