内容説明
今日も座席が決まらない……!
「この桜吹雪をよもや見忘れたとは言わせねえ」「これにて一件落着」――。決め台詞でおなじみの「江戸のお裁き」の現場は、本当はどうなっていたのか? 100年以上にわたって書き継がれた“役人用マニュアル”を読み解き、近世社会に貫徹していた「秩序感」をリアルに描き出す。
江戸時代、訴えを持ち込んでくる人々に対し、奉行所が開廷初日、真っ先に取り組んだのは、3段ある座席に出廷人を割り振る作業であった。無限にある「格式」の上下を見極めようとする熱意の背後に、幕府が守ろうとしていた正義のあり方――統治の正当性――を見出す。「身分制度」への思い込みが覆される快作!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
nagoyan
17
優。「壱人両名」の著者。本書は、お「白洲」の構造から説き起こし「お白洲」という存在から江戸時代の「身分」「正義」「秩序」という本質に迫っていく。江戸時代の公儀は、世間に通用している秩序をそのまま肯定した。それが公儀の正義であった。江戸時代も時代が下るにつれ、同一人物が同時に様々な社会集団に帰属することも増えた。公儀の対応は、生まれという個人の属性は無視し、当該案件におけるその者の社会的「役割」を「身分」として捉えて、「白洲」の場に位置付けた。最初、やや退屈に感じるかもだが、途中から断然面白かった。良い本。2022/11/10
fseigojp
11
意外と近世史の良書がすくないので、身分制を深堀した本書は有益だった2022/10/20
takao
3
ふむ2024/06/13
maqiso
3
御白洲は治者である奉行が裁判や報償のために庶民と相対する、社会の秩序を体現する場所であった。御白洲の座席には畳・板・砂利の3段があり、身分に従って席が決まったが、現実の多様な身分に応じて席の規則も複雑になっていった。陪臣は将軍から遠く席次も一段低かったが、陪臣の陪臣でも格式が高ければ考慮された。庶民でも職分や格式を持てば上の席になることもあった。その身分が世襲されるかどうかで家族の席が変わった。御白洲での席次は出席者からも重視されていた。明治に入っても御白洲は残ったが、その構造は忘れられていった。2023/12/08
Go Extreme
1
https://claude.ai/public/artifacts/229d9866-ef80-4da8-9e51-3b84e759e1cf 2025/07/03
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