内容説明
「あんたは黒人じゃない。でも、あんたのソウルは黒人よりももっと黒い」。カバン一つと古びたギターをかかえて海を渡った男が、あらゆる屈辱と人種差別を乗り越え、ニューヨークの舞台で贈られた称賛の言葉(オマージュ)。アメリカ合衆国に一人闘いを挑んだミスター・イエロー・ブルース、大木トオルが語る熱気に満ちた青春の軌跡。
感想・レビュー
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竹園和明
12
伝説のイエローブルースシンガー、大木トオルの自伝。黒人のブルースに魅せられ本場アメリカに乗り込み、苦労を重ねながらアルバート・キング他の超大物と競演するまでに至った経緯が、自らの言葉で綴られている。“自由の国”アメリカで、ブラックとイエローは同じ括りで差別を受ける。それを諦めるのではなく闘う事で自分のポジションを切り開いて行った大木トオルには頭が下がる。ただ、彼がそこまでブルースに惹かれた理由を語って欲しかった。日本にもブルースシンガーやギタリストが沢山いるが、活動の場が限定されているのは本当に残念だ。2015/12/30