競輪文化 - 「働く者のスポーツ」の社会史

個数:1
紙書籍版価格
¥2,200
  • 電子書籍

競輪文化 - 「働く者のスポーツ」の社会史

  • 著者名:古川岳志
  • 価格 ¥2,200(本体¥2,000)
  • 青弓社(2022/06発売)
  • ポイント 20pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784787234292

ファイル: /

内容説明

「ケイリン」としてオリンピック種目にも採用されている日本発祥の自転車競技・競輪。

競輪は、戦後日本で公営ギャンブルとして誕生して、ファンの熱狂と度重なる廃止論のなか独特な発展を遂げてきた。選手とファンの関係、公的な運営組織と選手、競輪場と地域社会、競輪界とスポーツ界――さまざまな切り口から、当初からプロスポーツとして出発した競輪の戦後から現在までの歩みとドラマをたどる。

日韓対抗戦やガールズケイリンなど、近年の動向も踏まえながら、ファンでもあり研究者でもある著者が「働く者のスポーツ」=競輪の社会史を活写する。

目次

序 章 文化としての競輪
 1 競輪との出合い
 2 いま、あらためて競輪を考えること

第1章 自転車競技が公営ギャンブルになるまで
 1 自転車競技法の成立
 2 競輪以前の日本自転車史
 3 働く者のスポーツ

第2章 競輪の高度成長期
 1 小倉で始まった競輪
 2 「狂輪」と呼ばれた時代
 3 管理される選手たち

第3章 都市空間のなかの競輪場
 1 都市的レジャー施設としての競輪場
 2 工業労働者の街に作られた競輪場
 3 公営ギャンブルと都市の政治

第4章 競輪のスポーツ化
 1 競技としての競輪
 2 日本が生んだ(部分が多い)世界のスポーツ・ケイリンの誕生
 3 ギャンブルとスポーツの関係

第5章 ギャンブルとスポーツの境界線上で――選手とファンは何を考えてきたのか
 1 スポーツかギャンブルか
 2 「競輪道」という物語
 3 馬に賭ける夢、人間に賭ける現実
 
終 章 競輪の「未来」――日韓対抗戦と女子競輪の復活
 1 日韓対抗戦競輪が持つ歴史的意味
 2 旧女子競輪の歴史
 3 ガールズケイリンとしての復活

あとがき

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

kenitirokikuti

6
2018年刊行。取手競輪場のある取手市図書館にて。本書の元になった著者の博論は「戦後日本社会と公営ギャンブル」(2002)、だが青弓社から社会学的な競輪史執筆のオファーがあったのは1998年▲東京ドームの前身は後楽園競輪場だが、昭和の競輪には「鉄火場」というイメージが強く、著者もトラック競技としてのケイリンや中野浩一というスターが出たあとの歴史についてどう扱うか迷ったそうである▲日本でアスリートという語が広まったのは80年代の世界陸上から。当初は陸上のみ。以前は「スポーツマン」2019/10/13

コウ

5
競輪に興味を持ち3カ月。本書で競輪の歴史に触れ、もっと奥深くまで知ってみたい、と思わずにはいられませんでした。スポーツとギャンブルのジレンマは感じるものの、筆者が本当に書きたかったのは「競輪道」と「あとがき」だったのでは…。競輪を知る秀逸の一冊だと思います。2021/01/06

タカ

2
競輪の成り立ちから、近年のガールズケイリンまで、読みやすく面白い。2020/07/23

BJF028

1
何故この本を手に取ったのか、自分でもよくわからないけど、面白かった。競輪の歴史を社会学的なアプローチでまとめられています。車券の買い方とか、予想の仕方とかは一切なくて、当てが外れてたのだが、とても読みやすい文章だったため興味深く読み終えた。選手は職人であり、アスリートであり、賭け事のサイコロであるところが、この競技かつギャンブルの複雑な面白さのようです。2018/03/28

沖縄電鉄社長

1
戦前の自転車史を踏まえながら、戦後様々な欲望のもとに産み出され、現在まで続いている競輪の歩みを、様々な視点から綴った一冊。ガールズケイリンとともに日韓定期戦を比較的大きく取り上げている。2018/03/08

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/12520809
  • ご注意事項

最近チェックした商品