仏教心理学――意識バイアスから自由になるための六つのメソッド

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仏教心理学――意識バイアスから自由になるための六つのメソッド

  • ISBN:9784910056449

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内容説明

仏教というと、寺院や仏像、念仏や御利益信仰、葬儀や墓地などが想像されます。日本文化の古くさい印象が支配的です。しかしそれは、仏教というものの一面に過ぎません。本来仏教を歴史と経文等から学術的に調べると、人間の心の作用を正確に捉え、苦痛のない充実した生き方を問いかけてきたブッダの、世の中を生き抜くための、いつでも真新しく感じる知恵の宝庫であることが見えてきます。本書は、その仏教に包含されているすぐれた認識心理学的内容を解説したものです。著者は「仏教とは拝んで願い事をかなえてもらう宗教ではなく、自分を統制する力と、外界の出来事を正確に解釈するものの見方を獲得することを目的としており、そのための方法も用意されている」として、一般的なご利益信仰や葬式仏教といった日本の仏教のイメージを、仏教伝来の歴史をたどることで覆し、同時に現在注目されている認知心理学と仏教の共通点を示して心の構造を解剖し、意識バイアスから自由になる方法を「六つのメソッド」として紹介しています。仏教という講義の常套句として「無常」「無我」「空」「縁起」「唯識」などのむずかしい用語が飛び交いますが、それらが、現代人に十分に納得できる解説がされていて、「仏教」を「心理学」という新しいイメージで捉え直した書です(「寺小屋」という市民グループが開催した著者による三回目「自由と教育―仏教心理学の視点から」の講演録を編集)。

目次

まえがき
第1章 「身体心理学」って?
◎「身体心理学」って矛盾してない?
◎心理学の背後には物理学があった
◎心理学は社会のニーズによってできた学問
第2章 心の動きが直接見えた!
◎「脳=心」とすることで心が可視化された
◎幼児期・児童期の虐待は脳を委縮させる
◎心の痛みと体の痛みは脳の同じ領域で感じる
◎身体心理学は「身心一如」で考える
◎アリストテレスも魂としての心を研究していた
第3章 身体が独自の知恵を持っている
◎漫画「はたらく細胞」は身体知を描いている
◎記憶になくても体が覚えている――身体知
◎職人の身体知は超能力!
◎身体知の職人と博士号を持つ学者の大論争
◎弟子には言葉で教えず寝食をともにすることでみずから学ばせる
◎オンライン授業と対面授業の身体知
第4章 身体感覚が脳を操る「身体化認知」
◎身体感覚によって相手への印象が変わってしまう
◎ホットコーヒーとアイスコーヒーで変わる相手の「いい人度」
◎皮膚は「第三の脳」である
◎自閉症の大学教授グランディンは「ハグ・マシーン」でストレスを乗り切った
◇身体知活用のエクササイズ【セルフ・ハグ】
◎神経学者のオリヴァー・サックス博士はハグ・マシーンを試してみた
◎跳びはねることで感情をコントロールをする自閉症の東田直樹さん
◇身体知活用のエクササイズ【ジャンピング】
◎感覚統合療法は毎日欠かさずやることで効果が上がる
第5章 身体知を活用するための呼吸と運動
◎はじめの一歩は「呼吸法」から
【マインドフルネス手順】
◎fMRI画像で脳が変わっているのが確認できた
◎可塑性の英語語源は「プラスティック」、形を自由に変えられる
身体知活用のエクササイズ【ボディスキャン】
◎脳の可塑性――パラアスリートの脳
◎呼吸に注目したのは東洋の知恵
◎「息」という漢字を分解すると「自(分)」の「心」
◎ヨーガは呼吸法でプラーナ(生命エネルギー)を取り入れる
◎気功の「気」は命の実体のこと
身体知活用のエクササイズ【立禅】
◎「上虚下実」が理想的な健康体
身体知活用のエクササイズ【身心のバランスを取る】
◎「魂とは何か」から出発した心理学が可視化の流れのなかで魂から離れていく
◎なぜ私たちには身体が与えられているのか
◎身体と精神的な病気とは実はつながっている
◎意識と運動は関係している
あとがき

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