NHKブックス<br> ミャンマー 「民主化」を問い直す ポピュリズムを越えて

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NHKブックス
ミャンマー 「民主化」を問い直す ポピュリズムを越えて

  • 著者名:山口健介
  • 価格 ¥1,650(本体¥1,500)
  • NHK出版(2022/05発売)
  • 2025→2026年!Kinoppy電子書籍・電子洋書全点ポイント30倍キャンペーン(~1/1)
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  • ISBN:9784140912737

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内容説明

「国民統合」なくして和平なし

衝撃的なクーデターの背景には、軍も民主派も「ビルマ族中心主義」に陥っていたことがあった。過去100年にわたるミャンマーのナショナリズムは、つねに「よそ者」を見つけ出さなければ維持できない「排他的」な性格を持ち、ロヒンギャ問題もその延長線上にある――。クーデターを起こした軍部だけが悪いのか? 民主派の政権に戻ればそれでいいのか? 民政移管後、激動の情勢下で民主派と活動を共にし経済開発に携わってきた若手研究者が、日本で「聖人視」されてきたアウンサンスーチーのポピュリズム化を描き、クーデターと民主化の深層にある権力構造を暴いて、多民族国家の平和と「国民統合」による民主主義の実現への道筋を示す!

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

崩紫サロメ

21
クーデターによって「やり過ごされてきた」ミャンマーの「国民統合」についての問題や可能性を提言する。アウンサン・スーチーによって成し遂げられたかのように見えた「民主化」だが、結局のところ彼女が「人民の唯一の代表」として「ポピュリスト」化していったことを指摘。これはハンガリーのオルバン首相にも見られる「反多元性」である。著者は国民統合には経済成長と再分配、多様な人々の政治参加が必要であるとするが、本書で描かれているミャンマーの現状はそれを妨げるものに満ちており、困難を感じさせられる。2022/11/09

クァベギ

3
ミャンマーの政治の論理が分かりやすく解説されていて、NLD政権時代のアウンサンスーチーの「変節」(に見えたもの)の背景にある要素が何なのかが理解できた。また、著者は現地で仕事をしていた人であるだけに、今後(おそらく遠い将来)に向けての提案は具体的で説得力がある。現地での経験の回想部分も興味深く、登場する人たちの姿が立体的に見えてくる。この人たちは今どうしているのだろうと、読みながら思わずにはいられなかった。2022/10/12

Reino

1
ミャンマーのクーデターや少数民族問題の背景、解決に向けて著者が取り組んだこと/やり残しになってしまったこと、などが書かれており、どれも知らないことばかりで読むことができて良かった。 2年前に買って積んでしまっていたが、その間に内戦状態に陥り、見通しが暗くなってしまった。 先行きは不透明だが、著者の提言する形の「国民統合」が実現できる日が来て欲しい。2024/10/29

Ahmad Hideaki Todoroki

0
研究者によるミャンマー本だが、ミャンマー政治と行政の現場の実態を自らが関与することになった電力供給プロジェクトの経験を元に論じている第4章が抜群に面白い。ミャンマーが独立以来、国民国家を創生することに失敗してきた結果がクーデター後の現状に繋がっているとの指摘は他の書籍でも見られるもので目新しさはないにせよ、著者の実践を元にした本書の各種提言は今なお有効であろう。他の東南アジア各国との比較も興味深かった。2024/04/01

MADAKI

0
2017年にミャンマーで仕事したときは、東南アジアなのになんて平和な国なんだろうと思った。しかし数年後に状況が激変。もはや手軽にいくこともできなくなった国のことを知ろうと読んでみた。狭隘なナショナリズムの土壌に、NLDの台頭がもたらしたポピュリズムの種が花開いたことが、クーデターと混乱を招いたと知り、さらに興味が湧いた。筆者が村落電化の経験から説く、理想に漸進的に近づけるアプローチのなまなましい記述も面白い。2024/01/05

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