内容説明
梨沙は進路、恋、友情、すべてがうまくいかずにいた。そんな折、東京から静岡の高校に二カ月間、国内交換留学をすることに。そこには屈託なく笑う航汰がいた。でも「一番の願いごとは、いつだって叶わない」――子供のころからそうだった。ささやかな願いごとは叶っても、心から願ったことは叶わなかった。だからこの恋だって願いを口にはしない。彼の横顔をそっと見る。本当に楽しそうに笑うから、私も自然に笑ってしまう。君といる私が好き。でも一緒にいられる時間はあと少ししか残っていない。あとで傷つくのはもう嫌だから君に笑顔でさよならを……。痛くて切ない青春ストーリー。
目次
プロローグ
1 雨の招待状
2 あの恋は、夏のなか
3 月がふたりを見ていた
4 恋に似ている
5 花火のように消えていく
6 空の青、海の青
エピローグ
あとがき
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぼっちゃん
49
【静岡書店大賞 映像化したい文庫部門受賞作】トラウマで本当のことを言えない主人公が交換留学生として静岡の高校に2か月間過ごす物語。最後は予想した通りの展開だったけれど、このような心の葛藤が青春なんでしょうね。2022/12/11
よっち
36
「一番の願い事は叶わない」進路、恋、友情、全てがうまくいかずにいる梨沙が、東京から姉妹校となった静岡の高校に二カ月間だけ、国内交換留学をする青春小説。自分の気持ちに気づいている親友と好きな人が付き合ってしまい、もやもやを抱えたまま向かった交換留学。受入先の美亜たちも優しくて、彼女の幼馴染で屈託なく笑う航汰とともに過ごすうちに癒やされてゆく中、自らの想いに気づいた時にはタイムリミットが近づくなかなか切ない展開でしたけど、静岡で過ごしてきた二ヶ月間が彼女の変わるきっかけとなってくれるなかなか素敵な物語でした。2022/06/20
🐾あゆ🐾🎮🎧@美月とペア画ちゅー!
26
せつないなぁ2024/05/18
やっちゃん
16
地元の遠州弁はど嬉しい。でも基本的に標準語で部分的に突然訛るのは違和感あるら。オチも読めたしこの青春小説はおじさんにはちょっと眩しすぎますね。2023/12/12
なかたけ
13
静岡書店大賞に選ばれていたので読んでみました。浜名湖周辺の細かく描かれてました。最後の展開は想像通りだったけど前向きなる話しでよかった。それにしても遠州弁が活字になるとなんか変な感じ。2022/12/17