ディストピア禍の新・幸福論

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ディストピア禍の新・幸福論

  • 著者名:前野隆司
  • 価格 ¥2,420(本体¥2,200)
  • プレジデント社(書籍)(2022/05発売)
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  • ISBN:9784833440356

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内容説明

【内容紹介】
ディストピア禍の新・幸福論
パンデミック、気候変動、格差拡大、侵略と戦争・・・・・・
混迷と分断の“ディストピア禍”に問う
心とは、生きるとは、幸せとはなにか?
慶應義塾大学大学院教授の「幸福学者」が書き尽くした入魂の書!

コロナショック、大規模な気候変動、苛烈さを増す自然災害、経済的な格差の拡大など、不幸の連鎖が止まらない。そのうえ、人類は21世紀になっても戦禍の中にいる。

そんな時代に、わたしたちは幸せに生きることができるのか?
そもそも幸せとはなにか?
どうすればあらゆる人が幸せに生きる世界をつくれるのか?

「幸福学」の第一人者である著者・前野隆司氏が、それらの問いに正面から取り組んだのが本書である。
科学と宗教、洋の東西、人間とロボット・・・・・・一見相反する領域をダイナミックに架橋しながら、力強く本質を掘り下げていく。
思索の果てに辿り着いた「幸せの正体」は、「いま」を生きるすべての人の希望となるだろう。

――本書では、脳神経科学・心理学・統計学・工学を中心とした様々な科学的研究の結果として、その結論を導いていく。

【著者紹介】
[著]前野 隆司(まえの・たかし)
1962年、山口県生まれ。慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科(SDM)教授。1984年、東京工業大学工学部機械工学科卒業。1986年、東京工業大学大学院理工学研究科機械工学専攻修士課程修了。キヤノン株式会社、カリフォルニア大学バークレー校客員研究員、慶應義塾大学理工学部教授、ハーバード大学客員教授等を経て、2008年より現職。2017年より慶應義塾大学ウェルビーイングリサーチセンター長兼任。認知心理学、脳神経科学、倫理学、統計学、工学などの研究を統合した「幸福学」を提唱し、個人と人類の幸せ(well-being)について研究している。主な著書に『脳はなぜ「心」を作ったのか 「私」の謎を解く受動意識仮説』(筑摩書房)、『幸せのメカニズム 実践・幸福学入門』(講談社)、『ウェルビーイング』(共著、日本経済新聞出版)などがある。

【目次抜粋】
第1章 前提条件:心はない
 パンデミックという人類滅亡リスク/資本主義は限界を迎えたのか?/日本というガラスの城/「ウェルビーイング産業」への転換を/自殺を「悪」と切り捨てていいのか?/日本人が見落としがちな「無意識」の利他性/心はすべて、幻想である/意識は「記憶のための劇場」である/「脱人間」という不安の超克 etc.
第2章 必要条件:死を想う
 心がなくて本当によかった/いま死んでも、あとで死んでもたいした違いはない/ふたつの本能――「怒り」と「共感」/他者を「許す」ことはなぜこんなに難しいのか?/一生の長さはたったの0.1ミリ/人間には、過去も未来もない/わたしたちには「いましかない」し「いまはない」/主観的には死は存在しない/あなたは本当に「あなた」なのか? etc.
第3章 幸せの連立方程式
 生きてよし、死してよし/幸福学――幸せは原因にも結果にもなる/「ありのままに!」――他人と自分を比べない/「やってみよう!」――主体的に生きる/「なんとかなる!」――未来を信じる/「ありがとう!」――ともに生きる/戦いのエンジンから愛のモーターへ/「ルールに従う」という思考停止/サイエンスとしての倫理学 etc.
第4章 解:わたしは、地球であり宇宙である
 わたしは地球の一部以外の何者でもない/蔓延しているのはウイルスか、それとも人間か?/人類は「安心安全」かつ「不幸」になった/「一番大切なこと」を一番大切にしよう/中心に無がある国、日本/近代科学が見つけた、近代的価値観の限界/そして、東まわりと西まわりが出会うとき/すべてを包摂する「ウェルビーイング資本」主義 etc.
第5章 分岐点:愛するか、滅びるか
 心の地動説/「世界中の生きとし生けるものを愛す」ことは可能か?/人間という合体動物/世界はあなたである/世界を100パーセント愛することをイメージしよう/敵は消え去る/「自利利他円満」というひとつの円/あなたが幸せでありますように etc.

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

大竹 粋

10
生き方が大きく変わる本に出会う。禅、ブッダの教え、ヴィパッサナー瞑想、アドラー、成人成長理論、U理論、などを統合させ、要は幸せに生きるにはどうしたら良いか、どの様な考え方をもっと良いか、と言った実践的な指針が得られる内容。幸せの4つの因子を一つ一つ現状と照らし合わせ、苦しくも冷静に自己分析する事で得られる安心感はなかなか得られない貴重なもの。2度目の熟読と更なる腹落ちを目指し、暫く雑念は捨ててここに留まり熟考を深める。2022/08/18

チェリ

9
自然科学、人文学、哲学の観点を組み合せ、人間の意識や幸福を語るという議題自体は大好物なのであるが、この著者の主張に関しては、無理筋だよなあ・・・としか思えなかった。他人の価値観を尊重することが重要だと語る一方で、自分の子供はゲームばかりしていたが子供を信じ続けていたら最終的に自主的に勉強するようになったと喜んでおり、結局著者はゲームの面白さを認めたわけでも、子供の価値観を尊重したわけでもない。また例えISでも、相手の主張をちゃんと理解すれば納得出来るという一方で、トランプ大統領は全く理解しようとしない。2023/10/08

andaseizouki

5
最新の幸福論に関する一冊。特に日本の特質、特性に視点を置きながら、我々にとっての幸福とは何かを考えている。また、自分と他人の捉え方、愛とは何か。これらと宗教の関係性など、分野としては多岐にわたる。著者自身の想いが、溢れ出ている部分も多々あり、共感するところ、まだしっかりと理解まで行き着いていないところが乱立している感じ。心というものは幻想でしかない。だからこそ、悲しむのではなく、全てを愛そう。死を恐れることも悲観することもない。私はあなたであり、あなたは私。私は世界である。すごく難しいが、面白い本だった。2022/06/11

KEIJI

3
前野幸福論の集大成。壮大である。理想が、これでもか!というくらい詰め込まれている。ただ、理想を掲げなければ何も始まらない。あとは、各々がどう行動していくか。2023/01/14

Kazuhiro Miura

3
久々に刺激的な本に出合った。人間の生き方の根源にせまる内容で、理想と現実の狭間をいかに乗り越えるか次第だが、著者のアイディアには共感できるものがあった。2022/10/05

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