内容説明
志々目春香と藤堂遥。
ふたりのハルカが
日本の闇を撃つ
TVドラマ化『密告はうたう』の気鋭が放つ
一気読み必至のシン・警察小説!
外国人殺しの裏に潜む悪の正体とは!?
警視庁捜査一課殺人犯捜査第二係に所属する女性刑事・志々目(ししめ)春香と後輩の男性刑事・藤堂遥の〈ハルカ〉コンビ。
2023年冬、新宿・大久保のマンションで若いベトナム人女性「リンダ」の死体が発見された。
彼女の足取りを追うため、二人のハルカは四国・松山へ向かうが、そこには外国人技能実習制度の深い闇が…。
不法滞在者に労働をあっせんする謎の人物・Q、そして彼女を殺した真犯人は、一体誰なのか、たどり着いた驚きの真相とは!?
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いつでも母さん
132
これは『2人のハルカ』シリーズになるのかな?期待の伊兼さん、ちょっと軽いか・・だが、それはたぶんこれからなのだろう(期待込めて)本作の事件そのものは私の脳内で「技能実習制度」が絡んでると思って読み進めた。それは闇。この国の闇。言葉を変えただけで一寸の間の目晦ましにもならない。根本の政策に起因するのだ。ほんの一握りの誰かが笑ってる裏で、多くの誰かが翻弄され傷付いたり泣きをみる。少子化、働き手不足は外国人労働者に縋るしか無い現状。それすら明日は見えない。だから・・リンダを殺したのはこの国とこの国民なのだな。2024/12/04
しんたろー
113
伊兼さん新作は、先輩刑事・春香&後輩刑事・遥がベトナム人技能実習生の殺害事件を追う物語…所謂「バディもの」で、二人の会話と活躍ぶりが著者としては軽めのタッチで進行する。テーマとして社会性の強いものだが、重過ぎること無くスイスイ読める。しかし、ふと顧みると、外国人労働力無くしては成り立たない現在の日本の日常生活を考えて恐ろしくもなった。そして、夢を持って来日した人たちの気持ちと、裏切るような厳しい現実と制度に暗澹たる想いを抱いた。春香&遥のキャラは少々物足りないが、先輩たちが曲者揃いでシリーズ化が楽しみ♬2025/01/06
ケイ
90
若い男女のバディもの。作者が男性だからか若い女性の生意気発言には鷹揚だが、男性が女性に言っていけないことは、女性も男性にしちゃダメだよと思う。「そんなんじゃ女の子にもてないよ」的な発言はやめてほしいな。というのは、テーマがテーマだから。外国人労働者、特に女性が置かれるかもしれない環境には、心が傷む。気づかせてくれたテーマは、女性のわたしでも(受け入れ先の奥さん同様に)そういう視点が必要だと思わせてくれたものだった。そういや、150年近く前では「お菊さん」がそういう立場にいたのだな。続編も読みたい。2024/12/18
ゆみねこ
83
女性刑事・志々目春香と後輩の男性刑事・藤堂遥。警視庁捜査1課のコンビが新宿・大久保のマンションの一室で殺害されたベトナム人女性「リンダ」の事件を追う。外国人技能実習制度の闇、不法滞在者を食い物にする人々。誰がリンダを殺したのか?ハルカとハルカのやり取り、個性豊かな二係の面々。読みやすく面白かった。今までの伊兼さんの作風と違って少し軽く感じたが、シリーズになりそうなのでこのコンビの活躍をこれからも楽しみ。2024/12/13
itica
68
技能実習生として来日し、その後不法滞在していたリンダの殺人。春香と遥、性別は違えど相性の良い捜査一課のコンビを中心に事件を追う過程が描かれている。この中で感じたのは技能実習生の厳しい現実だ。これを読む限り、制度を利用して儲けている輩が両国に居ると言うことだ。伊兼さんはそれを訴えたかったのではと深読みしてしまうくらい、胸に応える話だった。外国人の犯罪も増えているが、逆に実直に働いている人も多いはずだ。色々考えてしまったよ。はる・はるコンビにはまた会いたいと思う。 2025/01/31
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