内容説明
魔都東京、異形の街で見た女、死、怪ーー。
SDGsと再開発の裏で起きる怪異と殺人事件。闇に集う娼婦と異常性欲者たち。ここは暗黒街か、黄泉の国かーー。
気鋭の作家ふたりが紡ぐ妖しくも猥褻なノンフィクション。
第一章 池袋の怪
心霊スポット/人斬り一族/江戸川乱歩の棲家
第二章 史上最高齢のSM女王様
異常が日常/聖水ショー/未来都市の住人/女の足の匂いを嗅ぐ
第三章 池袋の女
醜い女/首都圏連続婚活殺人事件/愛さないから愛される
第四章 変態ママと殺人事件
特殊性癖を語る場所/露出が好きな主婦だった/桶川ストーカー殺人事件/高齢化する変態たち
第五章 池袋の死
悲劇を巻き込む/四面塔の怪異/上級国民の暴走/無差別殺人/ひとりでは死ねないから
第六章 街娼は駅前に立つ
消えた立ちんぼ/SDGsの犠牲者/お掃除とフェラチオ/義父に襲われる/住民票もない
第七章 池袋の宿
ラブホテル/出会いカフェ殺人事件/売春の罪/若くない女の欲望/死にたいなら殺してあげる
第八章 埼玉県の植民地
東京の入り口/女子大生風俗嬢/東武東上線で乙女ロードへ/最低な生活/子ども部屋おじさん/ちゃんとした恋したい
第九章 池袋の疫
恐山/コロナとストリップ/売る女、買う男
第十章 東口と西口のあいだ
地下道/もう元の自分には戻れない/処女のピンサロ嬢
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
fwhd8325
72
池袋は、学生時代に頻繁に通った文芸座のある街でしかなかったのですが、所々にある公園が何だか怪しい空気を漂わせていたように感じます。新宿や渋谷にはない伝説めいた話も耳にしました。中村さんと花房さんのルポはとても怖かった。何だか池袋へ出かけるのに今までと同じテンションでは無理かもしれない。ある程度の覚悟と好奇心が必要かもしれません。2022/11/29
ma-bo
63
ルポライター中村淳彦さんと、官能、ホラー小説家花房観音さんが交互に描く池袋アンダーグラウンド。2022/12/06
GAKU
53
池袋は中学生の頃から縁のある街。池袋まで徒歩30分近くの所に住んで30年位。週末は必ず池袋に足を運んでいます。それぞれの事件等に関し、ちょっと誇張しすぎかな。全く池袋を知らない人がこれを読んだら、なんて怖い街なんだと思うかも知れないが、実際はそんな事はないですよ。特に近年は区全体でイメージの刷新をはかり、ミニ歌舞伎町的なイメージから、芸術とアニメオタクの街へと変貌している。公園や公衆トイレもとても綺麗にリニューアル。ラーメン屋はじめ美味しい飲食店も沢山。是非皆さん池袋に遊びに来てください。 2023/04/04
ミライ
33
東京池袋の街の裏側を描いたノンフィクション小説(中村淳彦さんと花房観音さんの共著)。個人的に池袋はジュンク堂くらいしか行かないのだが、裏路地などちょっと危険な雰囲気の漂うゾーンが多いことは気になっていて、本作ではその危険ゾーンについて余すことなく語られる。基本的にストリップ、ラブホテルなどの風俗周りの話も多いが、近年起こった池袋自動車暴走事件や、木嶋佳苗の事件などに関連付けて解説されるので物語としても楽しめた。池袋という街の裏側が知りたい人にオススメ。2022/07/18
けいこ
30
花房観音さん、中村淳彦さん共著のルポタージュ。埼京線が開通した中1の年、友達と初めて電車に乗って出掛けた場所、池袋。健全では無さそうな場所もあるなぁ程度の認識だったけれど、想像以上にディープな世界でお腹いっぱい、斜め読み。風俗嬢、AV関係者など取材を受けた人たちの池袋での生き様は一見明るく逞しいけれど、皆貧困がまとわり付き哀しい。花房さん自身の死にたい願望の話も重かった。それにしても、埼玉の植民地と揶揄された池袋。埼京線の痴漢は日本一だし、変態が多い街池袋=埼玉県民は変態ってあんまりです(笑)2023/02/06
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