疾風怒濤精神分析入門 ジャック・ラカン的生き方のススメ

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疾風怒濤精神分析入門 ジャック・ラカン的生き方のススメ

  • 著者名:片岡一竹【著】
  • 価格 ¥2,530(本体¥2,300)
  • 誠信書房(2022/05発売)
  • 2025→2026年!Kinoppy電子書籍・電子洋書全点ポイント30倍キャンペーン(~1/1)
  • ポイント 690pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784414416312

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内容説明

精神分析の本質は病理的次元でなく倫理的な次元にある。そこでは病いに陥った人間が問題ではなく各人の生き方が問題とされる。精神分析を通して身体症状さえその多くが倫理的な意味をもっていることがわかる。哲学や思想や宗教と親和性のある精神分析の本質を、自らの経験をもとに分かりやすく書き下ろす。難解であるという定説を覆し不幸な受け入れられ方をした日本のラカン理解に楔を打ち込む一冊。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

harass

60
ラカン精神分析入門書。ラカン派の精神分析は日本だと臨床(治療)しているのはごく少数であり、そうなると理論ばかり、それも臨床とはかけ離れた理屈のみが、難解さを増幅させていると感じていた。本の半分が臨床に触れていて、精神医学、臨床心理学とはことなる、精神分析(ラカン派)はどう患者に接するのかにいろいろ驚いた。後半は理論。ラカンの時期によって概念の意味合いが変化していくことも触れている。正直精神分析はもう終わったかと思っていたが、まったく自分が知らなかっただけのようだ。表紙はさておいて、実に感心した。2022/09/25

yutaro sata

32
『人はみな妄想する』に入る前に、もう少し入門書的なものをと思い、読んだ。精神分析の特徴を精神医学、臨床心理との比較で説明するくだり辺りから、もう面白い。そうそう私はこういう世界が好きなんだよなあ、という感じ。 人間の現実を徹底的に言語の世界として捉える。しかし向こう側の現実界をも無視せず射程に入れていく、こういったラカンの理論はもっと詳しく知りたいと思った。 文献案内も丁寧で有難いし、さて『人はみな妄想する』へ参りましょうか。2023/09/29

Aster

32
全て上手く行かなくてもいいという気持ちを持つ。人の目を気にしない自分の道を進む。こういうことは寓意的な物語や人から色々聞いてきたが、この本を読んで真意が掴めた気がする。精神分析的に捉えることはとっても重要。人間は皆神経症でかつ死に向かっている。これを受け入れないのなら人生を受けいれてないのと同義では無いのか。ラカン入門はおそらくこの1冊だけでは足りないと思う。自分は前に読んだラカンの本と合わせて理解が深まった。付け加えるとこれは入門というよりラカン的「生き方のススメ」かな。ただの自己啓発本ではないが。2019/09/27

特盛

23
評価4/5。現代思想や批評で頻出するラカンの概念。「自我は他者である。」千葉雅也が推薦していた書籍であり手に取る。精神分析の位置づけからラカンのコンセプトまでとにかく丁寧に分かりやすく解説され、大変参考に。想像界・象徴界・現実界・主体・図式Lみたいな話から、後期ラカンの対象α、享楽、欲動、ファンタスムといった概念まで通して触れられる。エディプスコンプレックスの章では、首を傾げつつも、自分の人生での去勢の契機と意味合いを何度も振り返る。(少し前長らく勤めた会社の退職もそうだ)。刺激的で解放的な体験だ2024/09/15

ころこ

21
ニセモノ感満載のタイトルと装丁ですが、ちゃんとした本です。臨床実践やポストモダン思想と違う精神分析の観点から、慎重な手つきで導入部が書かれています。訓練分析を受けるのがどの位負担があり、社会的に認知される成果が如何程か承知しませんが、その拘りが中盤以降のラカン紹介の精緻さにも良い影響を与えている様に思います。印象深かったのはこの導入部です。精神分析といえば自由連想法の様に接続が当然と思われており、現代思想の分野でも何と何が接続されているのかということを着想し展開することが問われるのが一般的です。ところが本2017/12/22

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