日本でわたしも考えた:インド人ジャーナリストが体感した禅とトイレと温泉と

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日本でわたしも考えた:インド人ジャーナリストが体感した禅とトイレと温泉と

  • ISBN:9784560098912

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内容説明

インド人作家による驚愕と新発見の滞在記

本書は、2016年から20年まで東京に居を構えたインド人ジャーナリストの日本滞在記である。著者はインドを代表する英字紙『ヒンドゥー』の元北京支局長で、EU代表部に勤める夫と2人の息子とともに初めて来日。4年近くに及んだ滞日生活でインドでは考えられないような日常に目を瞠り、自身の知的好奇心をフルに発揮して多くの日本人や在住外国人と意見を交わした。生活習慣の違いから日本語習得の難しさ、俳句や金継ぎなどの伝統文化、政治・社会問題まで多岐にわたるテーマについての興味深い考察が本書には詰まっている。
外国人による日本論や日本滞在記は数多あるが、そのなかで本書を際立たせているのは何と言ってもインド人ならではの着眼点である。「中村屋のボース」とカレーの伝播、東京裁判のパル判事に対する評価、ボリウッド映画の日本への浸透、インド人コミュニティと政治・社会参加の問題など、「インドと日本」に関わる多様なトピックが俎上に乗せられている。
ジャーナリストならではの鋭い洞察に母親としての視点を交え、自身の発見や驚きがユーモアあふれる文体で綴られたユニークな作品である。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

アキ

99
著者は2014年世界経済フォーラム「ヤング・グローバル・リーダーズ」に選ばれたインド出身のジャーナリスト。2016-20年までEU外交官の夫と家族で日本に滞在した。英国、中国、ベルギー、インドネシアで住み、現在スペイン・マドリードで日本を懐かしむ。本書は日本で滞在中に書いたもので、インドと関連する仏教やヒンドゥー教の話が興味深い。思想家としてインドはブッダ、中国は孔子、日本は千利休を生み、この3国は仏教を通じて互いを理解し合っている、という一文が印象に残る。2021年インドで旅行関連のベストセラーとなった2022/04/15

ヒデミン@もも

55
インド人ジャーナリストであり、2人の息子の母である著者の日本滞在記。図書館で何気に手にした本だったが面白かった。フランス人の比較文化論の先生にお勧めしたい。日本人ってやっぱり日本人論が好きらしい。この方の教養の深さ。日本人として恥ずかしい。松尾芭蕉や小林一茶などの句がユーモアを交えて紹介されてる。ただ、禅の教えに関してだけは、日本人にそんなに浸透されているとは思えない。外国人から見た日本人の摩訶不思議な部分なのかな。そして、日本の長所だけではなく、短所もしっかりと書かれていることに信頼がおける。2022/04/09

18
夫は欧州連合(EU)勤務のスペイン人。著者はインド人ジャーナリスト。過去に北京、ブリュッセル、ジャカルタに滞在した経験をもつ。夫の日本駐在に合わせて日本へやってきた彼女ーグローバルかつ複眼的な視点をもつ外国人ーの目に映る日本とは?禅、俳句、日本人の性質、日中印関係、政治、宗教...と、コラムのテーマは多岐にわたる。日本の良さを褒め称えるのではなく、時にピリッと辛い批評で本質をつくところが良かった。2022/12/24

Sakie

17
インド人というより、インド生まれの国際人であるジャーナリストの日本滞在記として、インドで刊行された書籍の翻訳本。著者は日本を気に入っているが、日本礼賛本ではなく、社会や政治の在り様への辛辣な指摘も多い。これが何度も来日してくれる人々の本音だろう。切り口が面白い。子供が独りで通学するのは、コミュニティへの信頼が生きている証と洞察する。自分で掃除するのは自ら清潔にするための手段であって、罰でも人の尊厳を損なうものでない。私たちには当たり前のことが外国ではそうではないと気づく瞬間は、やはり醍醐味である。2022/05/10

アリーマ

12
2016年から20年の4年間日本に駐在した、インドの女性ジャーナリストの日本体験記。同行したEUの外交官の夫と二人の息子と共に日本で生活した雑感を綴る。トイレ、温泉、和食等の異文化体験から、日本の政治、コロナ禍での政府対応、日本人の国民性まで様々に語る。作者は上流階級で富裕層のインテリ。インドのそういう女性らしい極端な饒舌さと素朴なほどの率直さはそれなりに面白いが、どうも底が浅くてよくある異文化体験記の域は出ない。詩が好きらしく随所に芭蕉や一茶等の俳句が挿入されるが脈絡は不明。翻訳は読みにくい。★★★⭐︎2022/07/24

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