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内容説明
「武士道と云は死ぬ事と見付たり」――あるべき武士道を説いた「死狂ひ」の書として、高く評価されてきた『葉隠』。だが泰平社会を無難に世渡りした著者・常朝に「死の哲学」などあったのか。佐賀藩・鍋島家の〈豪気な家風〉とは対照的に、勇ましいだけの言葉で飾られた常朝の思想。それは生き抜くための思考を放棄した、老人の「たわ言」に過ぎなかった。本書は、その「机上の空論」を暴き、正体を明らかにする。武士は人から軽んじられた場合、幕府の法に背き、自分の命を懸けてまで名誉を守ることを要求された。そのような本物の武士(曲者)たちの姿を描き、「武士の心性」とは何かに迫る。誤解され続けた「葉隠武士道」に新たな見地を拓く一冊。 【主な内容】戦国武将・鍋島直茂/慈愛に満ちた二代藩主・鍋島光茂/武士らしさとはなにか/死への渇望/『葉隠』の女性たち/赤穂事件と武士の「一分」/武士道は死ねばよいのか/処世術としての『葉隠』 ……など
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Tadashi_N
14
美しく生きるための死の考え方。2024/07/28
うえ
0
抜身の刀を持った者が歩いてきて「どけ!」とか「通してくれ!」と言った場合「此方何の構ひなしに通りなされい」と言う。しかしすれ違いざまに「抜身で拙者の脇を通るとは差し置きがたい!」と叫び追いかける。追い付かないよう追いかけて立ち去る。これが「徳有り」とかww 「常朝の議論は,机上の空論,ただ勇ましいだけの「ことば」にすぎない」「佐賀城中は,一種異様な雰囲気に包まれていたのかもしれない」「子供が二人もいながら夫婦ともに相手に斬り込むというのは,やはり佐賀藩という特殊な環境に育ったためであろう」2014/08/11
Konuch
0
『葉隠』を決して評価してはならい。2010/10/21
いちはじめ
0
『葉隠』に関する批判的な解説。まあ正論ではあるな2002/01/18
ブルタ
0
葉隠を正しく理解するための本。葉隠は当時の武士の処世術を書いたもので、そんな大した思想はないという。2021/01/06