内容説明
性差別のない21世紀を実現するために。
フェミニズムを様々なトピックで学ぶ必携の一冊!
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女性たちが日以上生活の中で、「あれ?」と疑問に思うこと、
何気ない言葉や行為に抵抗を覚えること。
それはフェミニズムのきっかけになります。
「私が我慢すれば」と抑えこんでいた怒りや不満を、
いつかどこかにぶつけたくなるかもしれません。
でも、誰に、どうやってぶつけたらいいのか?
それを考えるためのヒントをくれるのが、フェミニズムです。
エッセンシャルワーカーとケア
オリンピックとセクシズム
インターセクショナリティ
Black Lives Matter
性と身体
中絶と性暴力
LGBTQ+
#MeToo
フェミニズムの視点を身に着ければ、世界の見え方が変わる!
フェミニズムの歴史を読み解き、
物事を一歩引いて眺める視点を与えてくれる一冊
――芥川賞作家・李琴峰推薦
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ネギっ子gen
66
【フェミニズムは、変革を志向し生み出す力】では、何を変えるのか? <フェミニズムは、女性が女性であることによって差別や抑圧を受ける社会、女性たちの尊厳や権利や安全を軽んじる文化を変革し、女性たちの生の可能性を広げようとします。ここまでは多くのフェミニストが同意できるところです。ところが、そのためにさらに具体的に何をするかに踏み込むにつれて、フェミニストたちの見解は多様にわかれていく>。それゆえ、書名の問いに定まった答えはない。しかし、不一致にこそ、変革の力としてのフェミニズムの可能性がある、と。賛成だ。⇒2023/06/27
venturingbeyond
50
VOGUE JAPAN上の連載を一冊にまとめた新書。フェミニズムがこれまで俎上に乗せてきた多様なテーマを手際よく提示し、初学者に的確な見取り図を与えている。はじめにで著者が示す「この本は「フェミニズムとは何であるのか」に対してひとつの正解を提示することを目指してはいません。そのかわりにこの本が目指すのは、社会や文化の様々な局面において、女性たちの生の可能性を広げるためにフェミニズムが何をしているのか、その一端を振りかえり、紹介することです。」との本書の目的は、十分に達成されているはず。良質な入門書です。2022/06/19
フム
42
「フェミニストは一人一派」と言われるくらいフェミニスト自身の見解も多様にわかれている。むしろその不一致にこそ変革の力としてのフェミニズムの可能性があるのだ。未完成で批判の余地があり、それが女性たちの生の可能性を広げるばかりか、性別や個性を超えて誰もが生きやすい社会を作り上げるための視点を与えてくれる。例えばフェミニズムは女性の「自立」を重視して来た。しかし無理な自立の追求は老いや病や弱さの拒絶につながる。自立か依存かではなく、一人の人間としての権利と尊厳を持って生きていける社会こそが大切だ。2022/06/15
katoyann
26
VOGUEのサイトに連載されていたフェミニズムに関する記事を書籍化したもの。インターセクショナリティ(交差性)という概念に依拠しながら、差別の複合性について分かりやすく説明している。旧来のジェンダー論は異性愛カップルをモデルとした課題を重視してきたとする。典型的なのは性別役割分業批判をメインとするような内容の研究や講義である。しかし、セクシュアルマイノリティはそのようなシスヘテロを前提とした内容の話に疎外感を覚えるとする。本書はセックスワーク論など賛否の分かれる議論に果敢に挑んでおり、刺激的である。2023/08/15
ドラマチックガス
26
フェミニズムについて落ち着いた口調で淡々と、しかしきちんと語られる本。「フェミニストってなんか怖い」(「怖い」と思われがちになることも必然だし重要だということもきちんと説明されている)と思っている人には良い入門書だと思う。前半はとても勉強になった。後半は、その応用という感じ? あまり目新しさはなかったけれど、大事なことが書いてある。ネット界隈では「フェミ」が侮蔑語になりつつあるが、そんな人に読んでほしい本。2022/06/08




