内容説明
化学メーカーの技術者・津田宗一が自宅で焼死した。出火元は密室状態の室内。警察は自殺を疑うが、捜査協力を仰いだ安全工学分野の大学教授・本上真理によって、遠隔操作での密室殺人を実現する、驚くべきトリックが明らかになる。一方、父親のDVから逃れるために無戸籍児として生きることを余儀なくされた少年は、様々な壁に直面し――。二つの事件が交錯するとき、悲痛な真相が浮かび上がる。
『このミステリーがすごい!』大賞シリーズ。 ※本書は文庫書き下ろしです。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
オーウェン
55
焼死体で自殺と思われたが、安全工学部大学の本上教授は遠隔操作で行われた殺人と明かす。 一方無戸籍によって育てられた少年の過酷な生活。 この2つが事件を追うごとに重なってくる。 科学捜査という割に、あまり関わってこないのはどうかと思うが、戸籍の有無によって人生が狂っていく過程の方が見応えがある。 果たしてそれは救われるのか、ラストの友情が温かい。2024/04/14
yooっち
33
冒頭、ある男の焼死から事件は始まる。随所に差し込まれた青年のエピソードがどこで事件と絡むのか。それが明らかになった時、あまりに切ない彼の境遇に胸が痛い。それでも最後、その存在を証明してみせる若手刑事のシーンに涙腺がゆるゆるとなってしまった。無戸籍になるかどうかは当人にとって不可抗力でしかなく、人生は戸籍の有無で一転することを教えてくれた本作。もし自分がそのような境遇であったなら、夢も希望もないまま世の中を憎んでいたかもしれない。いや、無気力にただ生きるのに精一杯だったかもしれない。多くの人に読んで欲しい。2022/07/09
ち~
28
化学メーカーの技術者が自宅で焼死。社内トラブルが原因か?並行して挟まれる、無戸籍の少年のエピソードは事件とどう繋がっていくのか?やりきれないラストだが、トリック、ストーリー共にとても面白かった!タイトルが秀逸。が、ミステリーとストーリー性のバランスや、キャラクターが弱く感じる点で、勿体なく感じた。特に本上は、登場時の印象深いキャラクターが活かせてないと思う。シリーズ一作目という事で次作に期待。2022/12/23
ドットジェピー
5
面白かったです2022/06/07
栗山いなり
4
化学メーカーの技術者の焼死事件の謎を追うサスペンス小説。『僕が僕をやめる日』でも取り上げられた無戸籍児について宝島社文庫の視点からアプローチをかけた作品であるなと感じた2022/10/23
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