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内容説明
「(日本の)世界遺産からみた日本史」に焦点を当てて、最新の研究成果に基づく日本の歴史・文化についての知見を、世界史の中に位置づける。縄文遺跡群から産業革命遺産、原爆ドームに至るまで、日本の世界文化遺産を正確に紹介した上で、世界遺産と照らし合わせる形で、世界的まなざしから日本史を見据えて各世界遺産の普遍的意義・価値を再検証する。選考の動向や、文化財保護と地域社会との連携の問題も考察する。日本文化史を学びなおすためにも最適な、世界遺産入門の決定版。
目次
はじめに……佐藤 信
第1章 日本の世界遺産をめぐる動向……鈴木地平
世界遺産条約締結三十周年
世界遺産が日本にもたらしたもの
日本が世界遺産にもたらしたもの
日本の世界遺産がカバーする時代・分野
どういった遺産が登録されてきたか
文化財の価値と世界遺産の価値
世界遺産の意義
第2章 北海道・北東北の縄文遺跡群……岡田康博
縄文時代について──資産の背景
縄文遺跡群の価値
登録後の取り組み
第3章 百舌鳥・古市古墳群──古代日本の墳墓群……和田晴吾
世界遺産への道
古墳とヤマト王権
古墳を代表する百舌鳥・古市古墳群
東アジア世界との交流
日本の古墳の特徴
古墳とは何か
埴輪の役割──他界の可視化
古墳と社会の統合
第4章 宗像・沖ノ島と関連遺産群……佐藤 信
「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群
宗像・沖ノ島の構成資産
沖ノ島の祭祀遺跡
国家的祭祀と宗像氏
宗像神と律令国家
神郡、宗像郡
その後の宗像
第5章 法隆寺地域の仏教建造物……建石 徹
世界最古の木造建造物・古代より現代に連なる信仰の場
境内
創建から太子信仰の高揚
建築・美術様式の源流
太子信仰
日本の文化財保護の象徴として
奈良文書
第6章 古都奈良の文化財……立石堅志
平城京を母体として
平城宮跡
東大寺
興福寺
春日大社・春日山原始林
薬師寺
唐招提寺
元興寺
第7章 古都京都の文化財──日本の伝統文化を形成した遺産群……増渕 徹
世界遺産一覧表にみる「古都京都の文化財」
平安京の造営と遺産群──王城護持の神と仏
都市構造の変容と遺産群──浄土信仰の発展と造形文化
中世京都の文化と歴史遺産──禅宗と庭園文化の発展
近世における復興と歴史遺産
京都の世界遺産の課題
第8章 紀伊山地の霊場と参詣道……本中 眞
資産の概要と世界文化遺産としての価値(顕著な普遍的価値)
紀伊の世界文化遺産としての特徴
登録後における調査研究・活用の進展
第9章 富士山──信仰の対象と芸術の源泉……稲葉信子
自然遺産から始まった
自然と文化の境界を埋める
最後まで残った七番目の評価基準、自然美
いまもなお続く議論
文化遺産としての富士山の価値
象徴の山、富士山
第10章 厳島神社……西別府元日
厳島神社へ渡る
人の世の神・伊都岐島神の登場と転化
佐伯景弘と平清盛・平頼盛
厳島神社の定立と神仏習合
世界遺産・厳島神社の継承
第11章 平泉──仏国土(浄土)を表す建築・庭園及び考古学的遺跡群……及川 司
平泉と世界遺産
浄土庭園
北へのまなざし
南へのまなざし
中尊寺建立
都市のかたち
政治行政上の拠点
京風と在地風
第12章 琉球王国のグスク及び関連遺産群……當眞嗣一
琉球史とグスク
今帰仁城跡
座喜味城跡
中城城跡
勝連城跡
首里城跡
玉陵
園比屋武御嶽石門
斎場御嶽
識名園
第13章 石見銀山遺跡とその文化的景観……村井章介
世界遺産に価する「文化的景観」とその構成要素
代表的な調査・発掘事例から
銀山発見から灰吹法導入まで──『銀山旧記』の吟味
山陰~朝鮮間の倭人ネットワーク
銀を みこむ中国
近世国家による生産力編成とシルバーラッシュ
コラム1佐渡島の金山……坂井秀弥
佐渡金銀山
金銀山の歴史と調査研究
中世末に発見された鶴子銀山
相川金銀山と鉱山都市の形成
「大流し」で採掘した西三川砂金山
近代佐渡鉱山の遺構群
第14章 姫路城……西 和彦
姫路城の成立
姫路城内外の構成
近代の姫路城とその修理
知られざる姫路城の解明
世界遺産としての姫路城
城とは何か
第15章 日光の社寺……江田郁夫
日光の起源
世界遺産としての日光
日本の総鎮守へ
神仏習合の霊場
日光山と宇都宮大明神
徳川家康と日光山
第16章 長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産……木村直樹
潜伏キリシタンの物語としての世界遺産
アジアの文脈からみた日本布教と教会組織
日本での定着──豊後から長崎へ
禁教政策の展開
潜伏・異宗・キリシタン禁制と世界
第17章 白川郷・五箇山の合掌造り集落……藤井恵介
飛 の深山の集落──白川郷と五箇山
合掌造りの特徴
過疎化、電源開発と合掌造り農家の消滅
伝統的建造物群保存地区から世界遺産へ
世界遺産以後
第18章 富岡製糸場と絹産業遺産群……鈴木 淳
近代日本における養蚕・製糸
富岡製糸場の建設と遺産
富岡製糸場の役割
払下げ後の富岡製糸場
養蚕技術の改良と田島弥平・高山社
荒船風穴と富岡製糸場
第19章 明治日本の産業革命遺産──製鉄・製鋼、造船、石炭産業……岡田保良
基本資料と遺産全体のネーミング
遺産の価値と構成資産の曲折
稼働資産の取り込みと文化庁離れ
「明治日本」と「産業革命」と
シリアル型の構造──構成資産が全体の価値に果たす役割
「明治日本の産業革命遺産」の登録を振り返る
第20章 原爆ドーム……藤井恵介
第二次世界大戦と広島原爆投下
広島県産業奨励館の被爆
旧産業奨励館残骸から原爆ドームへ──丹下健三の平和記念公園コンペティション案
原爆ドームの保存修理
世界遺産の登録へ
今後の維持は可能か?
その後の保存と文化財化
コラム2国立西洋美術館本館……藤井恵介
設立の経緯
建物の概要と特徴
世界遺産への道
世界遺産委員会で登録決定
おわりに……佐藤 信
編・執筆者紹介
凡例
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Shoji
ベンアル
chietaro
くまくま
蝉の一生
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