内容説明
あの戦時下に、こんな本が出ていたなんて!
仏文学者・詩人の平野威馬雄が選び、訳出した
「昆虫の詩人」ファーブルの精髄、ここに復活!
《本書は、フアブルの全著作にわたって瀰漫している、この科学者的詩人の滋味深い脈管の中から、もっとも鮮かに浮きぼりされた言葉のみを摘み取って束ねたラベンドルの花輪です。》(平野威馬雄「まえがき」より)
★ポイント
本書は、1942年に刊行された平野威馬雄・訳『フアブルの言葉』(新潮社)を再編集したものです。
19世紀の博物学者J・H・ファーブルは、『ファーブル昆虫記』をはじめとする自然の諸相を記録した文章のはしばしに、人生への深い洞察を書き残しています。その言葉の数々を選び取り、訳出したのが平野威馬雄でした。
79年ぶりになる今回の刊行では、底本からほぼ五割の項目を採録し、「昆虫」「田園」「鳥と植物」「科学と数学」「懐旧」「独学」の六つの章に分けて配列しています。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Go Extreme
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昆虫の章:だれも知らない虫が真の値打ちをもっていることがある 田園の章:おまえのあらまる慈しみから、なんと豊かに多くの籠をみたしてくれることであろうか 鳥と植物の章:野のさち・山のさちはわれわれの制作物である。けれどもけっしてわれわれの所有物ではない 科学と数学の章:光明にかがやく真理に到達するまでには、長い間、手さぐりで闇の中をさまよわねばならぬ 懐旧の章:このぎこちないゴオル名は、おろかものをほほ笑ませ、賢き者に物を思わせる 独学の章:まちがいのない話をするには、熟知したことからのみ出発すべきである2021/10/20