ハルキ文庫<br> セブン

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ハルキ文庫
セブン

  • ISBN:9784758439169

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内容説明

一見シンプルなトランプの数当てゲームが、生死をかけた心理バトルへと変貌する「ラッキーセブン」ほか、時間を何度もワープする男の話――「TLP49」、超ショート・ショート――「一男去って……」、戦場で捕らえられた兵士の生き残り作戦とは――「ユニーク・ゲーム」などロジカルな企みに満ちた七つの物語。トリッキーな作品世界に二度読み三度読み必至の驚愕の短編集。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

夢追人009

174
正統から異端まで幅広く取り入れる自在な作風で常に意外性と逆転のどんでん返しを味わわせてくれる職人推理作家の乾くるみさんが数字の7にとことん拘って書いた七編の傑作ミステリ短編集。著者の作品はどれもハズレがなくミステリ・パズルを愛するファンには堪らない魅力で絶大なる信頼が置けるでしょう。唯例えば「木曜の女」はブラウン神父で有名なチェスタトン作「木曜の男」のパロディなのですがそういうマニアックさや、本書の各編や名作「イ二シエーション・ラブ」で感じる残酷さが読者を選ぶかもと懸念しますが但し全て最悪ではないですよ。2019/02/17

スカラベ

65
数字の7にこだわった7つの短編集。「ラッキーセブン」、「ユニーク・ゲーム」はストーリーよりは心理戦も加わり、7人の登場人物が論理的思考で数学パズルを解くといったところが主眼で、数学科出身の作者の真骨頂とも言える。自分としては楽しめたが、苦手な人には敬遠されそう。「TLP49」は、7分の時間を7回、順番をランダムに置き換えてタイムリープする話で発想が面白い。でも長編の『リピート』の方が優れている。「一男去って・・・」は、なんともシュールで救いようのない話だが後を引く面白さ。他の3篇は今一つ入り込めなかった。2015/09/27

takaC

59
7話目の『ユニーク・ゲーム』のユニーク・ゲームは7人全員揃って0を選べば良かったんではないのか?「全員アウトでセーフは0人。でもセーフ人数的中で全員救済」じゃないの?オレの読解力不足?2015/07/24

hnzwd

54
ロジカルな駆け引きが色濃く出ている短編7篇。中でも、命を賭けたトランプ対決であるラッキーセブン、命の危機の際に発生する7分×7回のタイムリープを描いたTLP49、0〜7の数のうち他の人が選ばない数字を選べば勝ちとなるユニーク・ゲームの3作は、設定、ゲームのルール、オチのいずれも高水準。乾さんのロジックを前面に押し出した作品はあまり読んだ事がなかったので、新鮮でした。石持さん好きなら楽しめる。2015/09/20

dr2006

50
「7」にファンクションした7つの短編集。セブンと言っても決してコンビニエンスな話ではなく、ある種のミステリーだ。第一章を読んだ瞬間に「これは数学か、確率統計の参考書か?」と思ったぐらいだ。論理思考をフルに活用し、文中の条件や数字を海馬にメモリしながら集中して読む必要があった(汗)人間の身体や思考は基本的にアナログロジックだと思うが、迷いや葛藤を伴うような場面で、自らの行動を整理する為に数学的な理論を持ち込むことがある。だが、最終的には直感による判断を優先する。そして数学的な失敗の確率%を上げる(笑)2017/09/12

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