岩波科学ライブラリー<br> 僕とアリスの夏物語 人工知能の,その先へ

個数:1
紙書籍版価格
¥1,760
  • 電子書籍
  • Reader
  • ポイントキャンペーン

岩波科学ライブラリー
僕とアリスの夏物語 人工知能の,その先へ

  • 著者名:谷口忠大
  • 価格 ¥1,760(本体¥1,600)
  • 岩波書店(2022/05発売)
  • 夏休みの締めくくり!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~8/24)
  • ポイント 480pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784000297097

ファイル: /

内容説明

小学生の悠翔のもとに突然やってきた謎の少女,アリス.まるで赤ちゃんのように何も知らなかったが,悠翔たちから多くを学んでいく.しかしそこに,怪しい影が忍び寄り……!? AIと共存する未来とはどういうものか.「発達する知能」は,いかに実現されるのか.小説と解説の合わせ技で,いざ,めくるめく知の融合体験へ!

目次

第1話 訪れる者
第1話解説 人工知能の時代
「知能」って何だろう/人工知能技術は人間に近づいているのか?/「関数」としての人工知能/発達する心をつくる
第2話 物を調べる者
第2話解説 探索と物体概念の獲得
物体の概念とは何か?/「見て,触って,聞いて」知るロボット/「物体概念」の数理モデル/探索する幼児 vs 待っている人工知能/ロボットに好奇心をもたせる/「時々,ダメそうなことをやってみる」知的さ
第3話 言葉を覚える者
第3話解説 音素と語彙の獲得
言葉を聞きとるための知識/幼児は音素と単語を発見する/音列の統計情報をつかう/ロボットは単語を「発見」できるか?/幼児の音声認識にテキストはいらない/それは「クーラー」か,「スズシイ」か?
第4話 徘徊する者
第4話解説 移動と場所の学習
幼児はやがて歩き始める/身体そのものが「知的」である/柔らかいことの大切さ/「場所」の概念を理解する/本物の言語使用に向き合う
第5話 街に出る者
第5話解説 社会の中での言語獲得と理解
「はじめてのおつかい」からサービスロボットを考える/「統語的」関係から意味を定義する/分布意味仮説 単語の並びに潜む意味/データベース的な知識を使うロボット
第6話 苦悩する者
第6話解説 人工知能と社会構造の変容
人工知能に仕事を奪われる?/技術が発展すると「仕事」は変わる?/インターネットと人工知能の同盟関係
第7話 衝突する者
第7話解説 人工知能との関係性と倫理
人間のふりをするロボット/会話の文脈理解は難しい/関係性を育む/「ロボット工学三原則」って言われても/人工知能は規範をどう学ぶか?/ロボットと生きるための倫理
第8話 未来に向かう者
第8話解説 発達する自律的な人工知能の創成
自律的なロボットを創る/人工知能の感情と意識/アリスが「人間」になった理由/プロジェクト・アリス
引用文献
カバーイラスト:沢音千尋

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Tadashi_N

14
AIの説明が本格的。導入としての小説も良い。2023/01/06

Mc6ρ助

12
AIの現在位置を分かりやすい言葉で説明してくれる解説部分はなかなかな優れもんだと思うのだけど(理解できたかは別)、小説部分が・・・。まさかの青春小説×本気のAI解説(って、小学生が青春??)、小学生が好きな女の子と仲のいい男の子をイジメて不登校にする??ごめんなさい、ついて行けないのは、爺さまの特権!でも、思い起こせば懐かしき「小さな恋のメロディー」はこの年代だったか。ついて行けないのはのは当時と同じ、年齢のせいではないか。2022/03/25

Midori Matsuoka

8
小説の間に本格的なAIの解説が挟まれた他にはない形の作品。 小6の悠翔のところに預けられた少女アリスとの奇妙な同居生活。アリスは父親の知人のトゥーバー博士が連れてきたAIロボットなのだけど、悠翔はその事実は知らされないまま始めは何もできないアリスを生活の中で成長させる。不登校の悠翔、幼なじみの絵里奈、同級生で実は悠翔が不登校になるきっかけを作っていた颯太、それぞれの関係性がアリスを核に変化していく。 AIの解説はかなり専門的な部分もあり流し読みしたところもあるけど、なかなか興味深かった。2023/01/12

臓物ちゃん

8
ロボ少女の成長を通して人工知能の認識機能発達を詳しく解説した一冊。文系向けに見せかけたド理系の内容にビビるが、人工知能の内面を探ることで人間の知能なるものの根本を探る知的冒険にドキドキ。「不気味の谷」もそうだがAI関連のワードは真面目なのに何故か厨二病チックなものが多く、本書でも「記号創発システム」「分布意味仮説」「マルチモーダル場所概念」などのたまらん単語ばかりだぜ。2022/11/07

shin_ash

7
“谷忠”先生のAI解説本である。数あるAI解説本とは一線を画しており、今日騒がれる“AI”やAI技術の課題と未来へ展望に関する困難さを哲学や言語論的な議論を回避しつつ解説している。雰囲気は川添愛の「働きたくないイタチと言葉がわかるロボット」に近い。物語部分はイタチ本の方ができは良いが、現在のAI技術の課題と困難性について上手く解説している様に感じる。2022年現在、自由エネルギー原理がマイブームなせいもあるが知覚、認知、自律性などをキーワードに真面目に意識や心の様な対象に技術的に迫っていく流れを感じる。2022/02/26

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/19153171
  • ご注意事項

最近チェックした商品