光文社新書<br> イスラムがヨーロッパ世界を創造した~歴史に探る「共存の道」~

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光文社新書
イスラムがヨーロッパ世界を創造した~歴史に探る「共存の道」~

  • 著者名:宮田律
  • 価格 ¥1,188(本体¥1,080)
  • 光文社(2022/05発売)
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  • ISBN:9784334046088

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内容説明

今のヨーロッパの文化における基礎の一つは、イスラムの学術的成果や農業技術、工芸、食事文化などにルーツをもちます。ヨーロッパの中世から近代までの発展は、イスラム文明の文化・社会的影響や遺産抜きではあり得ませんでした。(「はじめに」より)中東とヨーロッパかはいかに交わり、溶け合い、互いに寛容の心をもって共存を実現してきたのか。現代社会を正しく理解するために、意外な史実を学び、知る。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

skunk_c

77
中世、特に12世紀(著者は12世紀ルネサンスと表現)の頃のヨーロッパにおけるイスラーム社会からの影響が大きかったかを中心に、近現代に至るまでのヨーロッパ文明に対するイスラームの関与をまとめている。著者の意識は反イスラーモフォビアにあるため、イスラーム側の対応には全く問題がなかったかのようにも読める部分があるが、世界史を学んできた者としては妥当な内容。むしろ日本の世界史教育が、如何に欧米からの「輸入」であったかを再確認した。現在高校で教えられている「歴史総合」が、その点全く改善されていないことに唖然とする。2022/10/10

ta_chanko

17
近現代になるまでは、ヨーロッパは文明の辺境地帯、イスラム文明と中華文明が世界の最先端地域だった。当然、イスラム経由でヨーロッパに伝えられた文物や技術も多い。特に、イスラム支配下にあったイベリア半島(アンダルシア)や、イスラムとの交流が盛んだったイタリアなどはイスラム文明の痕跡が色濃く残っている。イスラム世界では、ユダヤ教徒やキリスト教徒も当然のように共存していた。激しく対立する現代のほうが例外的。産業革命による西欧文明の急激な発展と、国民国家の成立によるナショナリズムの高揚などが原因か。2022/07/27

さとうしん

16
ヨーロッパ世界、イスラム世界、ユダヤ人の共存と交流の歴史。扱う時代が幅広く、それがバラバラに触れられるので読みにくいのが難点。個別のエピソードには興味深いものが多い。たとえば病院の制度はもともとムスリムの制度であったのが、十字軍遠征を通じてヨーロッパに取り入れられたのだという。現在の対立、相互不信の状況が歴史的に決して常態ではなかったことを示し、共存の重要性を説く。その認識・姿勢に大いに賛同したい。2022/06/07

templecity

13
イスラムと聞くと恐ろしいというイメージがあるが、実は欧州の文化もイスラムから取り入れられたところがある。十字軍の時代でも文化交流があった。地中海を通じてベネチアやフィレンツェは発展した。大航海時代になってスペインやポルトガルが外洋に出るようになってキリスト教が外に出ていったがイスラム圏の方が文化輸出という点では先駆者である。その後の欧米のイスラム圏の領土分割などがあって、おかしなことになったのもあるが、元は隣人も助けるという穏やかな宗教なのである。 2023/01/02

スプリント

9
かつてヨーロッパ文明はイスラムの発展した文明を取り入れていたという話。 2025/06/01

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