内容説明
華々しいデビューを飾った若き美貌の建築家マダレーナ・マリア・ダ・コスタ。途切れることのない仕事の依頼、信頼できる仲間、金と名声。全てを手に入れても、誰にも明かせぬ忌まわしい過去が、彼女の心を蝕み続ける。底知れぬ孤独の中で、あがき、苦しみ抜いた先に何が見えるのか? 光溢れるリスボンを舞台に、女の命がほとばしる。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
hukkey (ゆっけ)
16
タイトルから邪悪な雰囲気を感じたけれど読んでみると、後半につれ暗く壮絶な告白なのに気持ちの揺れが穏やかで、救いを感じられる読後感。諸悪の根源たる階級意識の根深さ。どこかで相手を見下したり、自分より低い性別や職業だと決めつけた人間に「何をしてもいい」と思い込む。ただひたむきに勉学や仕事に打ち込みたいだけなのに下卑た視線を向けられる生きづらさは想像に難くない。凄腕の美しく聡明な女建築士マダレーナ・マリアが、忌まわしい過去を隠しながら慈善事業に傾倒し、ひたすら現実に目を向けようとする姿は、聖母だとしか思えない。2022/06/28
msmbook1411
0
帯に惹かれて購入したけど、総じて中途半端名イメージ。 伏線なのかそうでないのか微妙な箇所が多く、さらに未回収のものが多く、ストーリー的にも全体的にまとまりがない印象。2022/06/18