内容説明
西洋の二元論的思想に対し,東洋的一,あるいは無・空の立場から,文化や宗教・道徳を語る。
(※本書は1990/10/1に発売し、2022/05/17に電子化をいたしました)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
roughfractus02
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第二次大戦時に出版された本書は、戦いを惹起する力をヒトの集団形成に見、その結果である文化に潜在すると説く。この力があるところに宗教はないという著者は、現行の宗教自身の集団性も否定し、宗教を宗教体験に集約する。この宗教的態度は「無宇宙主義」であり、宇宙=コスモスを廃してカオス的自然の創造的な「渾一性」を取り戻す努力となる。集団による「二」の論理は、物理的な身体を持つヒトから消えることがないからこそ、宗教の「文化否定性」はそれを超える「一」へと努力する。この矛盾を抱えた努力は、自然へ開かれた受動的態度を貫く。2021/03/18
しょ~や
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受動的なる見方はいくらか参考になったろう。2016/07/20