新潮文庫<br> あたしたち、海へ(新潮文庫)

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新潮文庫
あたしたち、海へ(新潮文庫)

  • 著者名:井上荒野【著】
  • 価格 ¥649(本体¥590)
  • 新潮社(2022/05発売)
  • ポイント 5pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784101302584

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内容説明

有夢と瑤子と海は、いつも好きなアーティストの話で盛り上がる親友同士。しかし私立女子中学校に進学後、関係が一変する。クラスを仕切る女子に反発した海に対し、報復のいじめが始まったのだ。有夢と瑤子も次第に抗いきれなくなり――。海の母親、担任ら、大人の視点からも浮かび上がる理不尽な社会の「仕組み」。心を削る暴力の輪に組み込まれ、もがく全ての人に、一筋の光を照らす長編小説。(解説・鴻巣友季子)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

活字の旅遊人

49
これまでもイジメやそれに関連する作品は、それなりに読んできたつもりだが、これは刺さる。男性である僕には、女子のこういう雰囲気は実体験としては分からない。でも刺さる。いや、分かるような気がする。男性社会に全くないのではなくて、程度の問題ということなんだろう。それにしても皆いろいろ考えて、その上で行動しているんだな。イジメのボス側が持つ不安や、高齢者専用マンション住民同士のイジメにも触れている点もよかった。娘がこの年代であるせいか、つらい読書になったが、ラストは爽快だ。読んでよかった。2022/12/28

海燕

15
私立の女子中学でのいじめを素材にした物語。初めて読む著者だが、女性だからこれだけ書き込めるのだろうか。ジェンダーレスが叫ばれ、男が、女が、という物言いはとかく批判の的となる時世だが、学校のイジメの世界には、厳然たる男女差があるのではないだろうか。章ごとに異なる人物の目線から語られ、いじめグループの中心にいる女生徒もまた、些細なきっかけで今の関係性が崩れ、自分もいじめの対象となり得ることをよく自覚していると知れる。閉塞した空気に疲れたが、最後には一縷の光が見える場面もある。ペルーは、遠い場所の比喩なのか?2022/08/15

Viola

10
きついわ。きついけど、ページをめくる手が止まらんかった。よい本でした。2022/06/23

keigo

4
息が詰まりそうな私立女子中学校の人間関係の中で悩む二人を中心とした物語。いじめという現象の周りに、それにかかわる人たちそれぞれが問題を抱えている様が描かれる。痛ましい話だが、それでもラストは希望が持てた。井上荒野作品は好きだ。2023/01/11

Ayako H

4
図書館から。私立女子中学でのいじめに絡む話。いじめる側にもそれなりに理由が、と言いたいのかもしれないがそれはない。ペルーに行く、というのが死ぬことを想定しているのはわかってはいたが、海ちゃんがホントに南米のペルーに行くことになるとは!3人でペルーに行っちゃえ!なんとでもなるさ!逃げる先があるなら堂々と逃げて行って〜!読んでいる間は気持ちがゾワゾワしたけど、いいお話しでした。2022/09/24

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