内容説明
夫も食べてもらえると喜ぶと思うんで――死んだ人間を食べる新たな葬式を描く表題作のほか、村田沙耶香自身がセレクトした、脳そのものを揺さぶる12篇。文学史上、最も危険な短編集!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
76
村田沙耶香さん本人を彷彿とさせる短編集でした、「食事」が重要な意味を示す作品が多かったように思います。スリリングで体験したことのないような感覚に陥りました。これは危険な作品ですね。面白かったです。2023/06/06
はっせー
65
久しぶりの村田沙耶香さん。相変わらず常識に風穴を空けるような小説であった。本書は短編集となっている。どの作品にも共通していることは、私たちの常識では変わっていると判断してしまうような人たちが出てくる!『生命式』と『孵化』が特に良かった。『生命式』は故人を食べる習慣ができた世界。『孵化』は自分自身に5種類の自分がいる女性の話。『生命式』は滝口悠生著『死んでいない者』。『孵化』は平野啓一郎著『私とは何か』。この2つが親和性が高いと思った!2024/10/04
だーい
59
村田沙耶香作品初読み。衝撃的な話が多かっだが、美しく神秘的で好きな短編集だった。正常な世界なんて本当は脆くて危うくて一瞬の出来事なんだなと感じた。自分の中の正しいことは価値ののあるものなのかと問いたくなる。普通とは違うけれど、自分の肉体を感じて、向き合っている主人公たちが愛おしい。価値観なんてものは本当にそれぞれで他者のものと重なり合うことはないのだと強く思う。特に好きだったのは「生命式」「魔法のからだ」「街を食べる」解説でもあるように「私たちの快楽は私たちのもの。快楽を裏切らない」という言葉が良い。2023/09/20
ミワ
58
とりあえず今年一好き。生命式、素晴らしい食卓、孵化。が特に好きだった。特に生命式。常識、普通なんて脆いもの。国が変われば常識は非常識になる事も。自分の普通は本当に普通?。解説で、「自分が正常だと思いこんでいるから笑えるだけに過ぎない。」とあり。解説も好きだった。これから追いかけたい作家さんになった。2023/04/22
活字の旅遊人
51
久しぶりに村田沙耶香。十二編の短編集。ほんの数ページしかない作品もある。その分、と言っていいと思うが、各作品ともエッセンスぎっしり。グロさが足りないとも言う。表題作の「生命式」、その次の「素敵な素材」は強烈な意識変革を求めるものだが、エグさをあまり感じない。「殺人出産」より前に書かれているようなので、こういう核をもってより刺激的な描写や台詞を入れていくのだなあ、と納得。「街を食べる」はこの前観た映画「サステナファーム」にも通じないかな。実は目指したい世界。「孵化」も好きだが、こちらは生きづらさ系。2023/06/21
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