内容説明
徳川慶喜が大政を奉還し、幕府は崩壊した。鳥羽伏見の戦いで、旧幕軍は維新政府軍に手痛い敗北を喫する。沖田総司は病魔に倒れ、近藤勇は刑場の露と消えた。二人の盟友を失った土方歳三は、悲しみにひたる間もなく宇都宮、会津、そして箱館・五稜郭へと転戦する。あたかも死地を求めるかのように……。「わたしは、生きている限りは、薩長を相手に戦う気でいるが、それは何も徳川家の御為というわけではない」――なぜ彼は戦い抜いたのか? 鋭い探究と新解釈で、激動の時代に身を投じた志士の苛烈な生きざまを描ききる傑作歴史小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Koji
1
微妙な感じ。登場人物それぞれの魅力を語らずに土方だけを魅力的にみせようとしている感がある。その分、あっさりとしていて読みやすいといえば読みやすい。2023/07/13
KT1123
1
伊藤甲子太郎の分離から大政奉還、戊辰戦争を経て函館(箱館)戦争で死ぬまでの土方歳三の話・・・、どちらかというと、京都を出てからの方に力点が置かれている気がしましたが、どうも視点が定まらない印象で(^^; 土方の人物像も、物事突き放して見ているかと思えば妙にウェットな部分もあり、それが魅力的かというとうーん(>_<)昭和60年前後の作品だそうですが、そんなに土方好きでもないせいか、あんまり得意じゃないなという印象。2022/04/19