内容説明
「家は存続させねばならぬ」と信じていた、明治生まれの祖父母。一方その孫で未入籍のパートナーと暮らす著者は、外形的には独身子ナシ。両親と実兄を見送り、酒井家は「家族終了」。だからこそ見えてきたのは、日本の家族の諸問題。上昇し続ける生涯未婚率に、事実婚、同性婚、シングル家庭、ステップファミリー、ルームシェアする疑似家族、毒親……。多様化する家族観の変遷を辿りながら、過去から未来までを考察。激変する日本の「家族」はどこへゆくのか?
目次
はじめに
1 パパ、愛してる
2 我が家の火宅事情
3 「嫁」というトランスフォーマー
4 自分の中の祖母成分
5 生き残るための家事能力
6 家庭科で教えるべきことは?
7 心配されたくて
8 修行としての家族旅行
9 呼び名は体をあらわす
10 長男の役割
11 お盆に集う意味
12 親の仕事、子供の仕事
13 世襲の妙味
14 毒親からの超克
15 「一人」という家族形態
16 疑似でも家族
17 事実婚ってなあに?
18 新しい家族
おわりに
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
saga
64
衝撃の書名である。事実婚はしているものの、祖母、親兄弟に死に別れ、直系の子孫が著者で終わるという事態から端を発したエッセイ。従来の家族:法律婚による男女の結びつきに基づき子孫を生むことから、新しい家族の形を模索する提案書でもある。本書の趣旨とは逸れるが、「自分の中の祖母成分」での紙ケチの性分を読んで、自分と同じことに驚き嬉しく思った。閑話休題。著者は私と同年代で、そのためか墓じまいは暫く先のことと考えているようだが、例えば夫婦が別々にそれぞれの実家の墓に入るという選択肢もありではないかと、ふと思った。2022/05/16
あきぽん
54
両親と兄を亡くし事実婚の相手と暮らす酒井さんが家族の思い出やこれからの家族について書いた本。今や結婚出産は贅沢品だと思う。両想いになり条件やタイミングも合うなんて奇跡的な幸運だよ!!性格のせいといっても、性格悪く容姿も良くない既婚者も沢山いるよね…。2023/06/03
ゆきらぱ
30
酒井順子さんといえば雑誌オリーブのコラム、マーガレット酒井さんの頃からのお付き合い。確か若い女の子たちが先生に当時の若者の風俗を教えてあげるというちょっとした柱に乗っていたコラムなのだが今だに高校生の頃読んだその文が頭に残っているくらい面白いもの。今も昔もサラッとしていながら心に残る文。それでいて今回の本は濃かった。母親の奔放さは家族に苦しみをもたらしたと思うが親子間で大喧嘩などは無かったようだ。思うに他の周囲の大人(祖母、会社の上司、母親の友人)が程よく親しく接してくれて、大人に絶望しなくて済んだのか。2023/10/16
タルシル📖ヨムノスキー
29
Twitterだったかnoteだったかで紹介されていた本書。タイトルだけ見て興味を持ち、どんな本なのか調べもせずに購入。私はいわゆる昭和の典型的な縦社会的家族+事情があって少し特殊な環境で育ったので、家族同士がフラットな関係の横社会的な家族というものになんとなく違和感を感じます。今の世の中それでは渡っていけないことも知っています。寺内貫太郎一家や東京バンドワゴンの堀田家のような構成の家族は絶滅危惧種。法律婚だけではなく事実婚、同性婚など、家族の形も多種多様。家族のカタチはこれからどう変わっていくのか。2023/05/17
みーなんきー
20
やっと読み終わった!というのが第一の感想。いわゆる家族という形は、最近の事実婚や、結婚しない人や、子を持たない人によって徐々に崩れている。かつて養子を取ってでも存続させようとした、家、の概念はほぼ崩れ、この代で家を終わらせる人の何と多いことか。前半は、納得しながら読み進んだが、酒井さんの解釈、分析、説明が長く、酒場でもう帰りたいのに先輩の話が終わらず、帰れない社員の気分で後半を読んだ。最終的に性別や人数、性生活の有無に関係なく家族を認めたらどうか、という案には賛成。2022/05/13
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