内容説明
キリスト教はウォール街の“強欲”をどう考える? イスラム教は平和のための宗教? ヒンドゥー教のカースト制は本質的に平等? 世界を読み解くには、宗教が最大の補助線になります。ヨーロッパ人もインド人も中国人も、当人たちは意識していなくても、長い歴史をへたキリスト教、ヒンドゥー教、儒教の発想や行動様式に支配されています。宗教を理解すれば、グローバル世界を読み解く最大の鍵が手に入る。新書の名著が文庫で登場!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kumoi
4
人間は生まれ、子を残し、死んでいく。山川草木悉皆成仏。石にだって、草にだって生まれ変わる。人間は特別な存在ではない。自然こそ神なのだ。父なる神が天地を創造したとは思えない。世界は一だと思えない。一即多だと思えない。すべて自然の成り行き任せだ。やはり自分は日本人。日本の死生観が身体に馴染む。それでも世界の人々を理解したい。人類愛を持って他者と接したい。理解不可能であっても、対話を続け、相手の存在を承認する。武器は取らないし、暴力に訴えない。愛を堪えることが最後の抵抗だ!人類に愛を!2022/08/08
オールド・ボリシェビク
2
2013年に光文社新書のラインナップとして出でていたものの文庫化である。新書も読んだぞ。再読しても、そのわかりやすさに感心するね。その宗教を信ずる人の内在的論理を簡明に説明してくれている。まずはその人が何を信じているのかを見定めなければならない。討つべきは、その人の神なのである。2022/06/22
やま
1
前半はただの宗教入門で、タイトルにある世界の動き方など全く言及されずに退屈でしたが、後半の日本における宗教から面白く、読み応えがありました。2023/01/29
ym
0
各宗教の成り立ちや関係性をわかりやすく説明してくれる。ヨーロッパ人のアメリカ大陸進出が、経済や政治のためではなく、自由な信仰を求めてのことだったというのが驚きだった。アメリカの社会保障が手薄なのは、信教の自由が第一で、それ以外は取るに足らないことという認識だからだそう。2024/04/06
かっぱバルーン
0
★★★☆☆ 日本の宗教と世界的な宗教を広く知る入門書としては良いが、少し単純化しすぎるきらいがある。講義をそのまま書籍化したということで確かに読みやすいが、所々根拠をどこに於いているか読み取れない推測のようなものが挟まるのが難点。2024/03/03