講談社選書メチエ<br> 演奏家が語る音楽の哲学

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講談社選書メチエ
演奏家が語る音楽の哲学

  • 著者名:大嶋義実【著】
  • 価格 ¥1,705(本体¥1,550)
  • 講談社(2022/05発売)
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  • ISBN:9784065239773

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内容説明

音楽ではなく、譜面を通してそれまで「不在」であった音楽とのあいだに通路を開き、広く交歓を可能にする想像力を持つ者である。
音楽は演奏家を抜きに現実化しない。人間によってしか血の通った音楽を、楽譜の向こう側にある音楽を蘇らせることはできないのである。
本書は芸術大学で指導する一方、演奏家としても第一線で活躍中のフルーティストによる、演奏という観点から見た音楽論である。つねにその瞬間瞬間の現れとしての音楽を生み出す者だからこそ得られる洞察、そこから個性と普遍という大きな問題へも視野を広げていく。

[本書の内容]
第一章 音を奏でる人類
第二章 「音楽そのもの」との交歓
第三章 音楽に表れるのは個性か普遍性か
第四章 音符の奥に立ち上がる音楽
第五章 響かせること、響きを合わせること

目次

第一章 音を奏でる人類
第二章 「音楽そのもの」との交歓
第三章 音楽に表れるのは個性か普遍性か
第四章 音符の奥に立ち上がる音楽
第五章 響かせること、響きを合わせること

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

trazom

93
フルート奏者であり京都市立芸大教授(副学長)の著者。演奏家かつ教育者としての考察は、非常に深く納得感がある。「個性を伸ばす教育」「学生はお客様、大学はサービス産業」という風潮に警鐘を鳴らし、「クラシック音楽において、個性の主張や己が感情の発露などという低次元の表現は何の意味もない。その音楽がどう演奏されたがっているのか、楽譜に記された音符から読み解くことだけが奏者に課された責務である」という見識に共感する。楽器、大学、コンクール、宗教等、古今東西の様々な言葉を引用しての巧みな語り口が満喫できる豊かな一冊。2022/07/03

やま

15
新聞に茂木大輔の書評があり、面白そうだと思って読み始めた本。音楽の哲学というから理論的なのかと思っていたが、随筆っぽい感じがする。それでも、「音符の奥に立ち上がる音楽」、「響かせること、響きを合わせること」はなかなか納得させる。◇調性の話がとても面白い。なぜ、調性に色がつくのだろうと思っていたが、その理由も垣間見たような気がした。クラヴィコードを持ち運んでいたモーツァルトの生活など、その風景が見えるような文章はチェコやウィーンで生活していた人のものだと思った。意外とおすすめ。2022/08/17

かわかみ

6
タイトルに惹かれたが盛り過ぎだ。哲学的ではない散文だった。第一章で専門のフルートという楽器への偏愛を散々吐露したのは我慢するが、音楽が冥界または形而上のものだという信念のもと、人との関わりをいろいろ述べている。人類学などを援用するのはよいが、それが中沢新一とか内田樹の思いつきだからがっかりする。以前読んだ伊東友計著「西洋音楽の正体」の音楽は文化的人工物であるという見解とは対極にある。楽譜は音楽そのものではない、という人目をひく警句もそのような音楽観が前提なので注意が必要。肩のこらない随筆として読むべき。2022/08/21

ぐんまくん。

3
哲学とあるが、一貫した主張があるわけではなく、エッセイに近いと思う。とは言え、意外?と考えさせられるところが多かった。 オーケストラが世界に広まった理由、各地のオケが独自の響をもつ理由の考察は、とても興味深い。現代音楽の著者の独自の定義には、なるほど、確かに! と共感した。2022/06/07

Naomi

2
エッセイである。でも音楽好きにはとても泣けるエッセイである。こういうしなやかな音楽好きでありたい。2022/11/24

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