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内容説明
「ヘンゼルとグレーテル」や「赤ずきん」を伝えた勤勉な学者肌のグリム兄弟と、「人魚ひめ」や「マッチ売りの少女」を生んだ奔放な旅人アンデルセン。対照的な人生を送った童話の巨星たちのあいだには、しかし実際の接触のみならず、意外な共通点もあって……。
童話の最高峰と並び称される両者の著作と生涯を突き合わることで見えてくる、童話に秘められた深層、そしてそこに表れる深い人間理解とは?
全集の翻訳も手掛けたドイツ文学の第一人者による、共感溢れる、忘れがたい一冊。
[本書の内容]
まえがき
1 アンデルセンとグリム兄弟との出会い
2 グリム兄弟の生涯
3 アンデルセンの生涯
4 学究者と作家――著作の比較
5 生の軌跡――愛と孤独
6 メルヒェンの語り手
7 グリム兄弟と私
8 アンデルセンと私
9 結び
グリム兄弟とアンデルセンの年表
目次
まえがき
1 アンデルセンとグリム兄弟との出会い
2 グリム兄弟の生涯
3 アンデルセンの生涯
4 学究者と作家――著作の比較
5 生の軌跡――愛と孤独
6 メルヒェンの語り手
7 グリム兄弟と私
8 アンデルセンと私
9 結び
グリム兄弟とアンデルセンの年表
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
K
11
著者高橋健二は、1998年に亡くなっており、本書の原本は、1987年に書かれたもの。グリム兄弟とアンデルセンの生涯、性格などが知れる。どちらも童話に携わっているが、グリム兄弟は研究者気質で、伝承されたものをまとめた形で童話を刊行し、アンデルセンは放浪者のような生き様であり、童話を自ら書いた。第一章「アンデルセンとグリム兄弟との出会い」が特に面白い。出オチ感があるけど。2023/12/24
クナコ
8
初読。タイトル買い。不滅の童話の書き手2大巨頭の経歴と作品、性向の比較。アンデルセンについては中野京子「メンデルスゾーンとアンデルセン」既読のため多少事前知識あり。グリムについては兄弟で言語・民俗学者として童話を収集していたことのみ知っていた。本書にて兄弟の経歴や性格の違い、世間との関わり方などを知れて良かった。どちらも随分と謙虚で高潔な学者だったようだ。兄弟愛が美しい。アンデルセンは想像力豊かで愛嬌はあるが他者を思いやることは苦手だった模様。強いハングリー精神は彼の創作物の魅力にも影響しているようだ。2024/12/05
本の紙魚
4
ついに童話だけでは飽き足らずアンデルセンの生涯を読み始めた。といってもこちらはグリム兄弟との比較本。著者はドイツ文学者の東大の先生なので、どうしてもグリム兄弟についての描写の方が良い。おかげでグリム兄の学者っぷりや弟の体調について等二人の生きざまを知ることができた。対するアンデルセン、こちらの本では彼のセクシャリティについては一貫して異性愛者のスタンスを取っている。かつて一高生が鴎外訳「即興詩人」をみんな読んでいたことや、卒論後に丸善で買ったドイツ語版を携えて南イタリアを旅したなどのエピソードが羨ましい。2022/08/28
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